2021年6月23日(水)
五輪有観客 感染拡大阻止は困難
東京都医師会
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東京都医師会は22日、都内で緊急会見を開き、尾﨑治夫会長は東京五輪・パラリンピック開催に関し「感染拡大を起こさず医療への負担をかけないのは無観客。有観客で感染拡大させないことは困難」との考えを示しました。
組織委員会など5者が21日に示した観客上限1万人の基準について尾﨑会長は「五輪は同時に30、40の競技が行われる。各会場の安全性は確保されるが、同時多発的に人流が起こるリスクは野球やサッカーの単独競技のリスクとは違うのではないか。(政府新型コロナ分科会の)尾身茂会長も同一の基準で判断しないように言っていたが私も同じ意見だ」と述べました。
競技会場で酒類を提供するとなれば「直行直帰も守れず、飲みに行ってしまうかもしれない。飲食店にはこれまで、ご苦労をおかけしてきた」と指摘。「有観客やアルコール提供は競技やアスリートファーストの考えと関係あるのか」と疑問を呈しました。
大会中の対応については「どういう感染状況になったら緊急事態宣言を出すのかなど、具体的なものを出していただく必要がある」としました。
感染状況や見込みについて「今下げ止まりになっている。(変異株を考えると)今後減っていくことは難しい。緊急事態宣言が出されるということが大会中止や無観客の目安になる」と述べました。
小中学生の観戦動員について尾﨑会長は「今のような状況で連れていくことがいいのかと疑問に思う」と語りました。
角田徹副会長は都内の60医師会に行ったアンケートで30%が開催は難しい、38%が無観客でと回答したことを紹介。「現在も(新型コロナ患者の医療に)全力で当たっている。五輪のための余剰人員を出すのは極めて難しい。開催期間中に感染状況が悪化すれば本当に対応できるのか」と訴えました。