2021年6月18日(金)
五輪は自然災害ではない 政治の決断で中止できる
志位委員長が強調
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日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、五輪強行に突き進む菅政権の姿勢を厳しく批判し、「五輪は自然災害ではない。政治の決断で中止できるし、中止の決断をするべきだ」と強調しました。
国立感染症研究所と京大の研究グループが厚生労働省のアドバイザリーボードに提出したシミュレーションは、(1)デルタ株の影響が「小さい場合」でも、宣言解除後の人流増加をプラス10%程度に抑えても、7月後半から8月前半に宣言の再発令が必要となる可能性がある(2)デルタ株の影響が「非常に大きい場合」は、7月前半から中旬にも宣言の再発令が必要となる可能性がある―としています。
志位氏は、このシミュレーションに言及し、「専門家から、五輪開催でこれだけリスクが拡大するという事実が示されているにもかかわらず、開催に突っ込むというのは、まさに国民の命をギャンブルにかけるものだ。五輪・パラリンピックは中止の決断しかない」と表明しました。
志位氏は、政府分科会の尾身茂会長も五輪開催による追加リスクはゼロにできないと述べたことを示し、「五輪開催で亡くなる方が増えても“やむを得ない”という立場には絶対立つべきではない」と強調しました。
その上で、「開催日(7月23日)が近づけば近づくほど、矛盾が噴き出し、激化する」と指摘。前出のシミュレーションでも、開催で追加の感染者や重症者が増えるとのデータが出ている以上、「これでいいのかが具体的に問われる」と強調し、観客、パブリックビューイング、子どもの動員などの問題などが「すべて熱い矛盾として噴き出してきている」と述べました。
志位氏は、「今から中止は難しいのでは」との質問に、「五輪は自然災害ではなく、人間が行うイベントだ。そうであるならば人間が止めることはできる。五輪開催によって追加の感染リスクや亡くなる方が出てきてはいけない。政治が決断すれば、いつであれ―開催の直前であっても、場合によっては始まっていても―中止できる。『国民の命と健康を守れない』となればいつであれ中止を決断しなければならない」と強調しました。
「もう五輪はやるしかない」と国民が思い始めているのではとの質問に、志位氏は、東京商工リサーチの調査(1~9日)でも、今夏の五輪「中止」「開催延期」を求めた企業が64%にのぼり、前回調査(2月1~8日)から8・1ポイントも増加したと指摘。「今夏の五輪パラはやるべきではないという国民は圧倒的な多数だ」と述べました。