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2021年6月6日(日)

なんだっけ

欧州委員会AI規制案って?

 Q 欧州連合(EU)が人工知能(AI)を規制する案を出したって?

 A EUの政策執行機関である欧州委員会がAIに対する規制案を4月21日に発表しました。世界初の包括的なAI規制といわれ、注目を浴びています。

 欧州委員会の案はAIシステムを適用される人々の基本的人権を保障し、安全性を確保することで、AIへの信頼を高めることを目的に掲げています。EU域内のルールを調和させ、法的確実性を高めることで、AI市場が大きく発展すると強調しています。

 Q なぜAIへの規制が必要なの?

 A 欧州委員会は、ほとんどのAIのリスクは低いものの、特定のAIには基本的人権を侵害するリスクがあると指摘します。AIのリスクを(1)受け入れられないリスク(2)高リスク(3)限定的なリスク(4)最小限リスク―の4種類に分類し、リスクの大きさに応じて規制をかけることを提案しています。違反した場合には最大3000万ユーロまたは全世界での総売上高の6%のいずれか高い方の罰金を科すとしています。

 Q 具体的にはどんなリスクがあるの?

 A 欧州委員会が「受け入れられないリスク」に分類するのは人権侵害の観点から特に有害なシステムです。例えばAIで個人の特性を分析して信用力を点数化する「社会的格付け」を政府が運用すれば、個人やグループに対する差別と排除につながると指摘しています。日本の政府と財界はAI推進に躍起です。早急に規制をかけ、人権を守らせる必要があります。

 (2021・6・6)


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