2021年6月5日(土)
高齢者医療費2倍化法成立
コロナ禍の下 生活支援こそ 倉林氏が反対討論
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75歳以上の医療費窓口負担(現在原則1割)に2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法」が4日の参院本会議で自民、公明、維新、国民民主各党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、立憲民主党などは、反対しました。(倉林氏の反対討論要旨)
2割への窓口負担増は当面、単身世帯で年収200万円以上、夫婦世帯では合計年収320万円以上が対象(課税所得の要件あり)。施行期日は2022年10月1日から23年3月1日までの間で政令で定める日としています。政府は2割負担導入による「受診行動」の変化で医療給付費が年間1050億円も減少すると試算しています。
討論で日本共産党の倉林明子議員は、「必要な医療が受けられなくなることを前提に負担増を強いるのは、高齢者の命を削り、尊厳を脅かすものであり断じて許されない」と強調。撤回を強く求めました。
政府が、今回の高齢者への大幅負担増の口実にしている現役世代の保険料負担軽減額は月約30円にすぎません。
倉林氏は、改悪の真の狙いが公的な社会保障費の削減にあることを明らかにし、「この間減らしてきた高齢者医療の国庫負担割合を元に戻すことこそ急務だ」と力説しました。
その上で、政府が「能力に応じた負担を」と言うのなら、減税と株高でコロナ禍でも莫大(ばくだい)な利益を得ている大企業や大資産家に応分の負担を求め全世代の社会保障の大幅拡充に踏み出すべきだと強調。「コロナ禍のもとでいまやるべきは思い切った負担軽減、生活への手厚い支援だ」と訴えました。