2021年6月1日(火)
負担増の声相次ぐ
2倍化法案で参考人質疑
倉林議員が質問
参院厚労委
参院厚生労働委員会は31日、75歳以上に医療費窓口2割負担を導入する高齢者医療費2倍化法案の参考人質疑を行い、受診控えによる健康悪化を懸念する意見や負担のあり方を問う意見が参考人から相次ぎました。
意見陳述で、連合の佐保昌一総合政策推進局長は、財源確保には高所得者の保険料の引き上げや「国費による対応」も検討するよう要求。日本高齢期運動連絡会(日高連)の吉岡尚志代表委員は、後期高齢者の医療制度の1割負担を2割に引き上げる政策は審議を中止し、撤回すべきだと強調。「高齢者には受診控えが起こり、健康・病状悪化の原因となり、高齢者の負担を増やすとともに、国民の医療費や国の保健・医療への支出を増やす」と批判しました。その上で、窓口負担の軽減などで「早期発見、早期治療、保健・予防政策を進める」よう求めました。
日本共産党の倉林明子議員は、「(負担増の)暮らしへの影響をしっかり見ないといけない」と述べ、2割負担の導入で3割が「通院回数を減らす」などと答えた日高連のアンケート調査について質問しました。
吉岡氏は、残り7割の高齢者について「『病気が悪化するため(治療に)行かざるをえない』という層も含まれると思う」と答え、自己責任を迫る窓口負担増が「受療に大きなストップをかけている」と批判。公費負担増や所得に応じた保険料の引き上げで2割負担化を中止するよう求めました。