2021年5月29日(土)
自民、LGBT法案見送り
田村政策委員長「国際的に問われる」
自民党は28日の総務会で、LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案について了承を見送りました。賛否両論が出て集約できなかったためで、佐藤勉総務会長は総務会後の記者会見で、今国会に提出しない方針を明らかにしました。
同法案は、性的少数者に対する国民の理解促進へ基本計画策定を政府に義務付ける内容です。野党が2018年に共同提案したLGBT差別解消法案に対し、自民党など与党が提案してきたもので、この間超党派の議連ですり合わせを行い、目的・基本理念に「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」との文言を盛り込むことで合意していました。
ところが、法案に関する自民党内の会合では、「差別は許されない」と書き込むことに反発する議員らから、LGBTは「種の保存に背く」「道徳的に認められない」など差別と偏見に基づく発言が相次ぎました。
超党派議連に参加してきた日本共産党の田村智子政策委員長は「性自認や性的指向によらず、基本的な人権が保障されるというのは国際的に当たり前のこと。それが受け入れられないというのは、国際的に自民党の姿勢が問われる」と指摘します。田村氏は、もともと同法案は与党側から今国会での成立にむけて働きかけてきたものだと強調し、不十分な点もあるものの与野党の協議と当事者の意見もふまえて合意したものだとして「これすらも自民党の中で納得が得られないのならば、理由の説明をしっかりと求めたい」と述べています。