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2021年5月27日(木)

20年労働力調査

「実質失業率」7%に上昇

就業希望者は286万人

 新型コロナウイルス感染拡大のもと就業者が減っているのに、完全失業率はそれほど上がっていません。総務省「労働力調査」によると、2020年の就業者数は前年比49万人(0・7%)減少しました。一方、完全失業率は前年比0・4ポイントの上昇にとどまります。完全失業者数が191万人と前年比29万人増にとどまったからです。


 完全失業者の増加分29万人のうち「仕事をやめたため」の求職は20万人。就業者の減少幅49万人との差である29万人は「非労働力人口」になりました。非労働力人口は仕事に就かず、求職活動もしなかった人数です。コロナ禍で感染リスクの恐れなどから求職活動を避けた人も多数いるとみられます。

 実際、非労働力人口のうち就業を希望しながら求職活動をしなかった就業希望者は286万人もいます。就業者の中にもコロナ禍などで短時間労働を強いられるなど、228万人が追加就労を希望しています。いずれも完全失業者数を上回る規模です。

 (1)失業者(2)追加就労希望者(3)非労働力人口のうち就業希望者―は「未活用労働」ともよばれます。(1)~(3)の和が、労働力人口と就業希望者の和に占める割合は、もっとも広く未活用労働を把握する指標とされ、未活用労働指標4(LU4)とよばれます。仕事に就きたい・増やしたいのに仕事がない人の割合であり、いわば「実質失業率」です。20年のLU4は前年に比べ1・2ポイント上昇し、7%となりました。コロナ禍の継続で雇用環境が悪化すれば、さらに生活が悪化することは避けられません。政策対応が必要です。(清水渡)

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