2021年5月26日(水)
今やるべきは負担減
医療費2倍化法案 倉林氏が追及
参院厚労委
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「高齢者医療費2倍化法案」が25日の参院厚生労働委員会で実質審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員は、介護・医療の保険料や利用者・窓口負担が増加の一途をたどる一方で年金は目減りし、コロナ危機も加わるもとで、「高齢者にとって二重、三重に絶望的な負担増だ。今やるべきは負担の軽減・免除制度をつくることだ」と追及しました。
倉林氏は、介護と医療の負担増・給付減の経過を振り返り、窓口2割負担の導入に「高齢者から怨嗟(えんさ)の声が上がっている」と指摘。2割化の対象となるKさん(京都市)の「この年になれば病気も多い。MRI1回で5000円だ。年金は増えず心細くて仕方ない」との声を紹介しました。
その上で、「過重な自己負担が、必要な医療からの排除につながる」と強調。2割負担導入で受診控えの影響額が1050億円に上るとの政府試算を挙げ、政府が受診控えの発生を認めながら、「ただちに健康への影響を意味するものではない」とする根拠をただしました。
田村憲久厚労相は、健康への影響には「いろいろな要因がある」などとし、正面から答えませんでした。
倉林氏は、自身の看護師時代にも貧困から受診をためらい、治療が間に合わなかった人がいたと指摘。「皆保険のなかで、助かる命さえ救えない事態を拡大しかねない。負担増で受診抑制を促すことは、やるべきでない」と強調しました。