2021年5月25日(火)
明らかに五輪憲章違反 政府は抗議し中止提起せよ
バッハ会長発言 小池書記局長が会見
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日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会内で記者会見し、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の「(東京五輪実現のために)誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない。そうすれば、選手は夢を間違いなくかなえることができる」との発言(22日)について、「五輪のために失ってよい命などない。誰もが犠牲を払わなければいけないような五輪は明らかに五輪憲章に反する」と厳しく批判しました。
小池氏は、五輪憲章が「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」だと定めていると指摘。「アスリートも犠牲の上に成り立つ五輪を望んではいないだろう」と強調しました。
また、IOCのコーツ副会長も、新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言が発令されているもとでも五輪開催は「完全にイエスだ」などと語ったことに言及。政府の基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博東邦大教授が「東京で緊急事態宣言が出されている状況で五輪ができるとは思わないし、やってはいけないというのがみんなのコンセンサスだ」(21日)と語ったことを示し、「コーツ氏の発言は日本の専門家が示す実態も無視するもので、断じて許されない」と批判しました。
その上で、「日本政府は、バッハ会長、コーツ副会長の発言に抗議し、東京五輪の中止をIOCに提起すべきだ。その決断を日本政府と東京都に求めたい」と表明しました。