2021年5月22日(土)
改定少年法が成立
山添氏「健全育成に反する」
参院本会議
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18、19歳の少年事件を厳罰化するなどの改定少年法が21日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、立憲民主・社民などは反対しました。
日本共産党の山添拓議員は反対討論で、「少年の健全な育成」という少年法の基本理念に反する事態をもたらすと批判。そもそも立法事実が欠けると指摘し、少年事件はピーク時の10分の1に激減し、凶悪化しているわけでもなく、法制審議会、国会審議でも現行法は「有効に機能している」と繰り返し語られたと強調しました。
少年事件について、家裁から検察官に送り返す原則逆送対象事件を拡大するもので、少年に寄り添う少年法の基本原則に反すると指摘。少年院送致などの期間上限を成人の量刑に用いる「犯情」で定めることは保護処分とは相いれないと述べました。
また、将来罪を犯す恐れがある虞犯(ぐはん)の対象から18、19歳を外すもので、育ち直りを必要とする少年に冷たい法案であり、推知報道を解禁し、立ち直りを後退させると批判。家裁調査官を増員して、社会調査を充実させるなど、少年の要保護性に応じた処遇を適切に行う体制整備が求められると強調しました。