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2021年5月17日(月)

名古屋入管で死亡の女性

遺族ら葬儀“耐えられない”

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(写真)葬儀で飾られたウィシュマさんの遺影=16日、名古屋市内

 名古屋出入国在留管理局で3月に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の葬儀が16日、名古屋市内の葬儀会館で営まれ、遺族や関係者、国会議員など約80人が参列しました。葬儀は約2時間半で終了。遺族を支援する指宿昭一弁護士によると、葬儀後、別の場所でスリランカ式の供養を行うということです。

 在留資格を失ったウィシュマさんは昨年8月から入管に収容され、収容が長引く中で体調が悪化し衰弱。点滴や治療を求めていましたが十分な治療が行われませんでした。遺族や支援団体、野党が、亡くなった事件の真相解明を求めています。

 葬儀では妹のワヨミ・ニサンサラさんが通訳を介してあいさつ。「姉が誰からも助けてもらえなかったことがすごく悲しい。姉はとても優秀な人でした。2カ月以上たつのに、亡くなった理由について答えは何もない。大好きだった国でこんなふうに亡くなったことが本当に耐えられない。他の外国人が姉のようにならないよう願っている」と話しました。

 ウィシュマさんを自宅に受け入れようと交流を重ねていた愛知県津島市の真野明美さん(67)は、「亡くなる前も点滴や入院を求めながら対処されず、生きながらにミイラにされている状況だった。入管に入っている人も同じ人間です。治療をしてほしかった。もっと違う方法で彼女を助けられたのではと自問自答しています。ごめんねという思いで手を合わせた」。

 外国人への人権侵害をさらに悪化させる入管法改定案について指宿弁護士は、「事件の真相解明なくして採決はあり得ない。入管という国の施設に入っていて医療にあたれず亡くなることがあってはならない。外国人の人権を認めない入管の在り方を変えないといけない」と話しました。

 日本共産党の藤野保史、本村伸子両衆院議員、山添拓参院議員、立憲民主党の国会議員が参列しました。


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