2021年5月14日(金)
和歌山カジノ構想
有力企業が撤退
資金洗浄疑惑など浮上
和歌山県がすすめるカジノ誘致計画で、事業者として有力視されていたサンシティグループ(マカオ)が12日、撤退を発表しました。同県では今年1月に候補を2社に絞り込み、「春ごろ」に最終決定するとしていましたが、土壇場にきて大波乱が起きています。
サンシティは同日のプレスリリースで「撤退を正式決定」と発表。同社代表取締役のアルビン・チャウ氏はその理由として▽新型コロナウイルス感染拡大による業界への甚大な影響▽日本の区域認定手続きが不透明―としています。
サンシティはマカオのカジノを根拠地にジャンケット業務(カジノに富裕客を送客する業務)を行ってきた企業で、チャウ氏は2019年以来、和歌山進出をねらってきました。
サンシティは今年2月、オーストラリアのカジノでマネーロンダリング(犯罪収益などの資金洗浄)に関与したとカジノ監督機関から指摘を受けたほか、中国本土で違法なオンラインカジノを行っていたとして摘発されたと報じられています。
今後、和歌山のカジノ運営企業として国に免許を申請をしても、こうした事情で取得できない可能性が指摘されていました。
県IR推進室は、「こうした事情については報道などで承知しており、予備審査で問いただしている過程で、先方から撤退表明があった」としています。
和歌山で残る候補はカナダの投資会社クレアベストニームベンチャー1社のみ。県は同社についても予備審査を行っているところで「選定しない可能性もある」としています。