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2021年5月14日(金)

コロナ危機をのりこえ、安心と希望の政治を東京から

―2021都議選にむけた日本共産党の訴えと重点公約―(要旨)

日本共産党東京都委員会

 日本共産党東京都委員会が13日発表した都議選政策「コロナ危機をのりこえ、安心と希望の政治を東京から―2021都議選にむけた日本共産党の訴えと重点公約―」の要旨を紹介します。全文は都委員会ホームページ(https://www.jcp-tokyo.net/)をご覧ください。

1.安心と希望の新しい政治を、日本共産党の躍進で

 6月25日告示、7月4日投開票の東京都議選は、都政の今後を左右します。小池都知事と、これに付き従っている自民党、公明党、都民ファーストの会による都政(小池・自公ファ都政)に対して審判を下し、日本共産党の躍進で、都民の願いが届く都政・都議会をつくりましょう。

 都議選は国政にも大きな影響を及ぼします。菅・自公政権と補完勢力にも審判を下す絶好の機会です。それは、市民と野党の共闘を発展させ、政権交代、野党連合政権樹立を促進する大きな力になります。

 そのカギを握るのは、都議会野党第1党の日本共産党の躍進です。日本共産党はこの都議選で、前回獲得した19議席を必ず確保し、さらに躍進をめざします。

 首都・東京から日本の政治を変えるため、日本共産党を躍進させてください。

今夏の東京五輪の中止をただちに決断し、コロナ対策に全力集中を

 新型コロナウイルスの感染拡大が国内的にも国際的にも続いています。日本共産党都議団は、1月以来、小池都知事に、今年の夏の東京オリンピックを中止しコロナ収束に集中することを、くりかえし求めています。変異株の流行も深刻さを増しているもとで、五輪開催がコロナ対策と両立しないことが、いよいよ明らかになっています。

 中止を求める第一の理由は、ワクチンが間に合わないことです。第二は、フェアな大会にならないことです。感染状況から、全世界のアスリートが同じ条件でフェアに競い合う五輪にならないことは明らかです。第三は、医療従事者を東京五輪のために医療現場から引きはがし集めることに、現実性がないことです。看護師500人、スポーツドクター200人の動員、30の指定病院の確保は、コロナのもとで医療体制に、さらなる大きな負荷を強いるものです。

 菅政権と小池都政が「開催ありき」で、コロナ対策をさんざんゆがめてきた責任は重大です。都議会の自民、公明、都ファは、コロナ禍の続く昨年10月の本会議で、あえて五輪開催に「全力で取り組んでいく」との決議を強行しました。菅首相は「開催権限は国際オリンピック委員会(IOC)が持っている」として、開催国の首相として国民の命をコロナ感染拡大から守る責任感のまったく欠落した態度を続けています。

 東京都が開催都市として、今夏の五輪中止の決断をただちに下し、関係諸機関との協議に入ること、東京都のあらゆる力をコロナ対策に集中することを、日本共産党はひきつづき強く求めます。

新型コロナから命と暮らしを守る日本共産党の提案

 感染拡大の深刻化は、政府と都がやるべきことをやってこなかった結果であり、菅・自公政権と小池・自公ファ都政が招いた人災です。その根底には、科学を無視し、国民に自己責任をおしつけるという致命的な弱点があります。

 いま政治がなすべきこととして、日本共産党は、次の対策が緊急に、徹底的に実行されるよう、全力をあげています。

 第一に、コロナを封じ込めるために、無症状者からの感染を防ぐPCRなどの大規模な検査をおこなうことです。医療機関、高齢者施設、障害福祉施設、職場や学校、保育園等での週1回程度の検査、人が集まる場所(繁華街、駅、大学など)での無症状者への検査、変異株の全数検査などを、飛躍的に拡充させることです。

 第二に、ワクチンにかかわる正確でわかりやすい情報を国民・都民に提供しつつ、接種を希望者全員に、安全に、迅速に、確実にゆきわたらせるよう責任をはたすことです。

 第三に、3度にわたる緊急事態宣言を含め長期にわたるコロナ禍によって危機に陥っている中小企業、芸術・文化関係のみなさんに、事業を続けられる十分な補償を行うこと、生活困窮者への緊急の支援をおこなうこと、「人流」抑制を求めることに見合った生活保障をおこなうことです。

 第四に、すべての医療機関への減収補てんに踏み切り、病床を確保するためにあらゆる手だてをとることです。都立・公社病院の「独立行政法人化」は中止することです。

菅・自公政権の腐敗・強権・冷酷政治に、都議選で審判を

 コロナ禍から国民の命と暮らしを守るために政治が全力をあげなければならないときに、菅・自公政権は、無為無策、後手後手です。その一方で、菅首相の長男もかかわった接待疑惑の究明に背を向け、ウソと忖度(そんたく)をはびこらせ、政治モラルを崩壊させました。「森友・加計」「桜を見る会」疑惑などの政治の私物化は未解明です。菅政権と自民党、公明党は、75歳以上の高齢者370万人の医療費窓口負担を2倍に引き上げる法案を強行しました。さらに憲法改定手続きを定めた国民投票法改定案を強行して、9条を改悪し、日本をアメリカと肩を並べて「戦争する国」に変える道へ、踏み出そうとしています。彼らがコロナ危機にかこつけて導入しようとしている「緊急事態条項」は、憲法を停止し独裁国家をつくる恐るべき内容です。こんな政治を、続けさせてはなりません。

首都・東京の政治決戦は、日本の政治の行方を大きく左右します

 2013年の都議選での日本共産党躍進は、直後の参議院選挙に波及して連続躍進となり、14年の総選挙での躍進につながりました。こうした一連の躍進を土台に、日本共産党は15年の安保法制=戦争法反対のたたかいのなかで、立憲主義を取り戻す野党の連合政権を提唱し、選挙協力、国会での共闘を、実際に発展させることができました。「市民と野党の共闘」への道を開く歴史的な勝利でした。

 来たる都議選で、都議会野党第1党の日本共産党を、前回、前々回に続いて、三たび躍進させてください。そして、市民と野党の共闘を発展させ、続く総選挙で、政権交代を実現し、新しい政権――野党連合政権をつくろうではありませんか。

四つのチェンジで、安心と希望の新しい政治を東京から

 日本共産党東京都委員会は、東京都政については、次の「四つのチェンジ」で、安心と希望の新しい政治を東京からつくろう、と呼びかけます。

(1)医療・介護・障害福祉・保育――「ケア」に手厚い東京を

 第一のチェンジは、コロナ危機で浮き彫りになった都政のゆがみをただし、医療・介護・障害福祉・保育など「ケア」に手厚い東京をつくろうということです。

 これまでの都政は、都立病院を16カ所から8カ所に、保健所を71カ所から31カ所に、半分に減らしました。その結果が、現在の医療と保健所の逼迫(ひっぱく)・疲弊です。いま小池都政がやろうとしている都立病院、公社病院の「独立行政法人化」は、感染症、災害、難病、小児特殊、周産期、救急、障害者、島しょなど、不採算でも都民の命に必要な医療の切り捨てです。人手もコストもかかるコロナ対応は真っ先に切り捨てられてしまいます。

 自民、公明、都ファは「独法化」反対の都民の請願を不採択にし推進しています。日本共産党の躍進で「独法化」を中止させ、都立・公社病院を拡充し、保健所の増設をはかりましょう。

(2)「稼ぐ東京」=大企業のもうけ第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政に

 第二のチェンジは、「稼ぐ東京」の名による大企業のもうけ第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政に、切り替えることです。

 羽田新ルート、東京外環道建設、カジノ誘致――小池都政が「東京大改革の第一の柱」とする「稼ぐ東京」は、すでに破綻が明らかなものばかりです。その一方で、小池・自公ファ都政は、都民の暮らし・福祉は、認可保育園増設予算や介護施設整備予算の大幅減額など、おきざりです。

 日本共産党は、外環道などの巨大開発の無駄遣いにメスを入れ、義務教育の学校給食費の無料化、高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げ、補聴器購入への補助、都営住宅増設など「住民福祉の増進」という自治体本来の仕事に力を注ぐ都政をつくるために、全力をあげます。

(3)ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする東京を

 第三のチェンジは、ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする東京をつくることです。

 日本共産党は「ジェンダー平等社会をつくる」ことを党の綱領に明記し、党都議団は現在18人中13人(72%)が女性議員です。さらに自己研さんを重ね、役割を発揮する決意です。

 都に「ジェンダー平等推進局」を設置し全庁あげて推進、女性相談事業、DVや性犯罪からの救援などを拡充します。「選択的夫婦別姓制度」を国に求めます。「パートナーシップ制度」を都として実施します。

 共産党都議団は都の「人権条例」を、憲法の人権の理念にもとづくとの規定、すべての人の性的指向・性自認に由来する差別を許さない規定など充実させました。さらに、具体化・実質化させます。子どもの権利を守り、すべての子どもを尊重する教育を実現させます。文化・芸術、スポーツを、人間が生きていくのに必要不可欠なものとして大事にする東京をめざします。

(4)オスプレイ、低空飛行――米軍の無法やめさせ、平和な東京をつくろう

 第四のチェンジは、平和な東京をつくることです。米空軍オスプレイ配備で横田基地が特殊作戦の出撃拠点にされるのを許すわけにはいきません。米軍機の無法な低空訓練はやめさせましょう。米軍に異常な特権を与えている日米地位協定を抜本改正させましょう。

 日本共産党は、「アメリカ言いなり」政治の大本にある日米安保条約を廃棄して本当の独立国といえる日本をつくることをめざしている党です。戦前・戦後ひとすじに反戦平和を貫いてきた党です。「憲法9条、平和を守れ!」――この声を日本共産党に託してください。

本当の対決構図は、“日本共産党対自民・公明・都民ファースト”

 こんどの都議選の対決構図は明瞭です。都政のどの問題をとっても、自民、公明、都民ファの間には政治的立場の違いはありません。そろって小池都政を推進してきました。

 本当の対決の構図は、“日本共産党対自民・公明・都民ファ”です。日本共産党の躍進で、自民、公明、都民ファーストに厳しい審判を下し、安心と希望の新しい都政をつくろうではありませんか。

2.都政を動かしてきた野党第1党・共産党都議団

国会100議席相当の都議会野党第1党として都政を動かしてきました

 日本共産党は、前々回2013年の都議選で8人から17人当選へ、前回17年は19人当選へと、連続躍進をかちとらせていただきました。現在18議席、国会(衆議院+参議院)でいえば100議席にあたる力を持つ、都議会野党第1党です。

【ダントツの条例提案、質問回数】

 条例提案は、17年都議選以降だけでも28回(17年7月~21年3月)。年4回の定例議会にほぼ毎回提出しており、提出数は都議会のすべての会派の中でダントツです。他会派との共同提案も意欲的に追求しています。

 おもな条例案には、学校給食費助成条例、シルバーパス条例改正、18歳までの子ども医療費助成条例、学校体育館クーラー設置条例、マタニティパス交付条例、国民健康保険子ども均等割保険料ゼロ円条例、私立高校入学金無料化条例などで、都民の切実な要求を実現するためのものです。

 質問回数は、前回都議選以降の17年第3回定例会から20年第4回定例会までの代表質問、一般質問と、20年第3回定例会までの文書質問の合計で、ベスト10の中に日本共産党の都議が6人入っており、これもダントツの最多会派となっています。

【財源も示して提案】

 共産党都議団は、これらの施策の財源も示して提案しています。都の予算規模は総額15兆円を超え、ノルウェーやスウェーデンの国家予算に匹敵します。予算組み替え動議を毎年提出し、今年度では一般会計予算のわずか2・3%の組み替え(不要不急の大型開発などを見直し、くらし・福祉・教育などの財源を確保する)で、77項目の都民の切実な願いに応えられることを現実的・具体的に示しています。こうした予算組み替え提案を毎年おこなっているのは、都議会では日本共産党のみです。

動かなかったことを動かして、都民の願い実現へ前進

 東京の認可保育園数は、1967年から79年の革新都政の12年間に838カ所増やしましたが、自公都政になりピッタリと増加が止まりました。ある自民党議員は認可保育園増設を「おとぎ話」とののしりました。この状況を変えたのが、2013年都議選での日本共産党躍進でした。これ以降の7年間で1410カ所増、都の保育所予算は13年以降6倍になり、施設数は1・7倍になりました。

 すべての学校の体育館にエアコン設置の道が開かれました。公社住宅、都営住宅の修繕費の居住者負担軽減に風穴をあけました。台風・水害など防災対策、安全・安心のまちづくりでも、都政を動かしています。

都政でとりあげられてこなかった問題に光をあて、変化を起こした

 共産党都議団は、2016年第1回定例会で、虐待や生活困窮などで居場所のない女子中高生など若い女性が性的搾取の被害にあっている実態を、都議会で初めて告発し対策を訴えました。その結果、「若年被害女性等支援モデル事業」が18年度から試行され、今年度から本格実施され予算も3倍に増えています。また、党東京都委員会ジェンダー平等委員会は、昨年8月~11月、痴漢の実態アンケートにとりくみ、1435人から「生活範囲のすべてで何度も何度も何度も遭った」などの痛切な被害の状況が寄せられました。この調査結果をもとに、2月の都議会で「痴漢ゼロの東京」をめざし都のとりくみの抜本的強化を求めました。

 多くの中学生、高校生らが疑問に感じている理不尽な校則の問題で、ツーブロックの髪形禁止や、髪の色が明るかったりくせ毛などの場合の「地毛証明書」提出について、都議会で問題提起しました。これを受け、都教育委員会は、子どもの権利や意見を尊重することは「学校教育においても同様に重要」と答弁し、「すべての教育活動は生徒の人権の尊重を基本として行う」「生来の頭髪を一律に黒染めするような指導は行わない」などの「通知」を出しました。改善へ一歩前進です。

3.日本共産党の重点公約――都民を支えるあたたかい都政に

[1]五輪は中止し、科学にもとづきコロナを抑止

◇今夏の五輪は中止しコロナ対策に集中

◇1日20万件以上の大規模検査を実施

◇希望する都民全員への早期のワクチン接種を推進

◇医療機関・従事者への支援を強化しコロナ病床を確保

[2]コロナ危機から都民のくらしを守る

◇協力金の増額・拡充・迅速給付など中小企業・小規模事業者への十分な補償へ支援強化

◇雇用を守る――雇調金の都独自の拡充、社会保険料雇用者負担への助成、最低賃金引き上げなど

◇生活困窮者、ひとり親家庭や学生への支援を強化

[3]貧困・格差を是正し、「ケア」に手厚い東京に

◇都立・公社病院の「独立行政法人化」を中止

◇多摩地域の保健所を5カ所から15カ所へ、3倍に増設・拡充

◇誰ひとり取り残さない―高齢者や障害者を大事にする東京、生きづらさに寄り添う東京に(補聴器購入費助成、シルバーパス拡充、障害者医療費助成拡充、自殺総合対策など)

◇給食費・医療費等の負担を減らし子どもの貧困対策・子育て支援を強化

◇待機児童・特養ホーム待機者ゼロへ、保育・介護を充実

◇都営住宅2万戸増設、住宅困窮者・若者向け家賃支援など、住まいの確保を都民の権利として保障

◇多摩格差解消、多摩・島しょ振興を推進

[4]大企業のもうけ優先の政策を転換し、持続可能な東京に

◇不要不急の大型開発などの見直しで、福祉・くらしの財源を確保

◇羽田新ルート・外環道・カジノ…「三つの大問題」をきっぱり中止

◇上下水道は直営を守る

◇温室効果ガス排出ゼロの東京を、2050年までに実現

◇首都直下地震、激じん化する風水害から都民の生命・財産を守る

◇都市農業を振興し、生産緑地を保全

[5]ジェンダー平等を推進し、多様性と個人の尊厳を大事にする東京に

◇「ジェンダー平等推進局」を設置し、ジェンダー平等を、全庁をあげて推進

◇性犯罪被害者支援を強化し性犯罪を根絶

◇性に関する人権と健康を保障し、性の多様性を尊重

◇児童相談所の体制強化など、子どもの権利を守り、児童虐待対策を強化

◇都独自の30人学級など、すべての子どもを尊重する教育に

◇文化・芸術、スポーツを大事にする東京に

◇ヘイトスピーチを根絶

[6]米軍の無法をやめさせ、憲法9条いかし平和な東京に

◇米軍機、オスプレイと特殊作戦部隊の撤去を

◇横田基地など都内8カ所の米軍基地の撤去を推進

◇「平和祈念館」を設置し平和を世界に発信

[7]自公・都ファによる古い議会を新しく―よく議論して決定する開かれた都議会に

◇議会改革をすすめ、チェック機能と政策提案を強化

◇「議会基本条例」を制定し、多様な意見を大事にする都議会に

◇報酬削減の継続など議会経費の節約を推進


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