2021年5月13日(木)
入管法改定 許さない 採決見送りも与党週内狙う
「死亡事件解明が大前提」
国会前 市民が座り込み
入管法改定案をめぐり、与党が衆院法務委員会での採決を狙う緊迫した情勢のなか、日本共産党など野党は12日の同委員会で、採決強行を許さないと結束し、政府を追及しました。国会前では、市民が廃案を求めて座り込みなど反対行動に取り組みました。同日の採決は見送られたものの、与党側は依然として週内の採決を狙っています。
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衆院委で藤野氏
同法案は、入管収容施設での死亡事件が相次ぎ、国際的にも批判を受けている入管行政の権限を拡大し、厳罰化を進めるもの。
日本共産党の藤野保史議員は同委員会で、3月に名古屋出入国管理局でスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件の真相解明が大前提だとして、関連資料の提出を要求。これまで開示された資料では、死因とされる甲状腺に関する数値が、1月末の血液検査結果には記されているのに、3月の検査結果には記載がなく、急減していた体重の死亡時の数字も分からないと強調しました。
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藤野氏は、同法案は、過酷な環境に耐えかねて逃げ出し在留資格を失う事態が多発している技能実習制度などの構造的な問題を放置し、「出口」の退去強制手続きばかりを強化するものだと批判。「断固廃案にすべきだ」と主張しました。
立憲民主党、国民民主党の議員は、真相解明に不可欠だとしてウィシュマさんの様子を撮影したビデオ映像の開示を求め、採決を急ぐ政府・与党を批判しました。しかし、上川陽子法相はビデオの開示を拒否しました。