2021年5月12日(水)
看護師 日雇い派遣禁止に戻せ
倉林氏 利益誘導の仕組みやめよ
参院厚労委
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日本共産党の倉林明子議員は11日の参院厚生労働委員会で、看護師の医療機関以外への日雇い派遣を4月から解禁した問題について、企業が自らの事業拡大につながる規制緩和を要望できる仕組みこそやめるべきだと迫り、安全リスクが高まる日雇い派遣は原則禁止に戻すよう求めました。
この間の国会審議で、国が個人や企業から提案を受ける「規制改革ホットライン」に解禁を提案したNPO法人日本派遣看護師協会の実態は、看護師派遣会社「スーパーナース」が担っていたことが判明。同社代表の滝口進氏が2016年まで規制改革会議で専門委員だった際、解禁提案を内閣府に相談し、「利害関係者からの提案は慎重に」とアドバイスを受けていました。
倉林氏の追及に、規制改革推進室の彦谷直克次長は滝口氏が利害関係者にあたることを事実上認め、「利害関係者だからこそ分かる規制改革の必要性もある」と居直りました。また、現在の規制改革推進会議でもメンバーが利害関係のある規制緩和を提案・決定関与できる仕組みだと認めました。
倉林氏は、同会議には利害関係者を排除する除斥規定がないと批判し、利益誘導が可能なホットラインをやめるなど「規制改革」の仕組みの見直しを求めました。
そのうえで、今回の解禁は労働条件の悪化・看護の質の劣化など「国民の利益を損なうリスク」があると追及。田村憲久厚労相は「審議会で議論いただいたうえでのことだ」と繰り返し、倉林氏は「原則禁止に戻し、議論をやり直すべきだ」と強調しました。