2021年5月11日(火)
世界に背 入管法改定案
藤野氏 廃案を主張
ネット番組
日本共産党の藤野保史衆院議員は9日、インターネット番組「Choose Life Project」に他党議員とともに出演し、菅政権が成立を狙う入管法改定案について、国際社会の要請に応えず、人権侵害を拡大すると批判しました。
藤野氏は、同改定案について「入管のための改定案になっている。当然廃案を目指していきたい」と主張しました。
ジャーナリストで司会の津田大介氏は、スリランカ人の女性が3月に名古屋の入館施設で、体調不良を訴えたにもかかわらず満足な治療を受けられず死亡した事件の問題点を質問。藤野氏は、スリランカ人女性はDV被害者であり、入管の通達でも本来収容するべきではなかったと指摘。「健康状態からいっても仮放免するべきでした。そのために死を招いてしまった」と主張しました。
津田氏は、立憲民主党の枝野幸男代表がユーチューブチャンネルで名古屋入管での実態解明が議論と採決の前提であると述べていることを紹介し、改定案の採決について質問。藤野氏は「審議を経るにしたがって国民の(反対の)声が強まってきている。法案の中身も、スリランカ人女性への対応も本当にひどい。こんな状態で採決はとんでもない」と強調しました。
藤野氏は、外国人に施設外での生活を認める改定案の「監理措置制度」で、監理人の監視義務や届け出義務、違反時の罰金を科すことになっていることについて「監理人制度は支援者を監視者に変えるものであり、民間支援のあり方を一変させる」と主張しました。
野党が共同で参院に提出している改正案について藤野氏は「退去強制手続きは70年変わっていない法律で、改正は当然だ。問題は中身だ。入管のための改正なのか、国際水準に合致した共生社会に向けた改正なのかとの違いだ」と述べました。
藤野氏は、昨年の検察庁法改定案を廃案にした経験に触れ、ツイッターデモが短期間で急激に増えたことで「国会の風景が激変した」と指摘。「今回も日々、国民の声が動かしている。動いている局面だ。国会内外が力を合わせて廃案をめざしてがんばりたい」と語りました。