2021年5月4日(火)
5・3憲法大行動
志位委員長のスピーチ
日本共産党の志位和夫委員長が3日、「5・3憲法大行動」オンライン中継で行ったスピーチ全文は次の通りです。
みなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。熱い連帯のあいさつを送ります。
コロナ収束のために、日本国憲法を順守して政治の責任を果たせ
2年連続、コロナ危機のもとでの憲法記念日となりました。深刻な感染拡大が起こり、各地で医療崩壊が始まっています。これは憲法に問題があるからでしょうか。断じて違います。日本国憲法を順守した対策を怠ってきた政治の責任であり、菅政権による人災ではないでしょうか。
憲法25条は、国民の「生存権」を保障し、国に対して、「社会保障と公衆衛生の増進」を義務づけています。この義務を果たしてきたでしょうか。人口当たりのPCR検査数は世界144位、ワクチン接種数は世界118位です。保健所は90年代以降半分にしてしまったではありませんか。
政府は、憲法25条を順守して国民の命を守る責任を果たせ――このことを強く求めていこうではありませんか。
憲法29条は、「財産権」を保障するとともに、それを公共のために用いるときには、「正当な補償」が必要だとしています。この義務を果たしてきたでしょうか。国民に自粛を求めながら、政府が行っていることは「正当な補償」とは程遠いではありませんか。
憲法24条は、「個人の尊厳」と「両性の平等」をうたっています。しかし、政府のコロナ対策は、特別給付金の世帯主への支給、意思決定機関への女性参加の決定的な遅れなど、ジェンダー平等の視点が欠落しています。
コロナ収束のために、菅政権は、日本国憲法を順守して政治の責任を果たせ――私は、このことを憲法記念日にあたって強く訴えたいと思います。
コロナに乗じた改憲――「戦争国家」「独裁国家」のくわだてを許すな
みなさん。菅政権が、この当たり前の責任を果たさないまま、コロナに乗じて憲法を変える企てを進めていることは、絶対に許すわけにいきません。
自民、公明、維新は、連休明けの6日にも、衆院憲法審査会で、国民投票法改定案の採決を強行しようとしています。
この狙いはどこにあるでしょうか。菅首相自身が3月の自民党大会で、狙いをあけすけに述べています。「憲法改正にむけた第一歩」だと。憲法改定にむけた“地ならし”こそが、この動きの狙いなのであります。
それでは、自民党が狙う「憲法改正」とは何か。菅首相は、今日発表された「産経」のインタビューで、自衛隊を明記する9条改定、緊急事態条項の創設など、自民党の改憲4項目をたたき台に議論を進めてもらうと宣言しています。
海外での武力行使を無制限に進める「戦争国家」をつくり、緊急事態への対応の名目で基本的人権を停止する「独裁国家」をつくる。こんな恐ろしい憲法改定を、コロナ危機のどさくさに紛れて行う。最悪の火事場泥棒を許してはなりません。
まずは菅首相がその「第一歩」と位置づけている国民投票法改定案の採決を断固として止めようではありませんか。
変えるべきは憲法でなく、菅自公政権――共闘を成功させ、政権交代の実現を
みなさん。いま変えるべきは憲法ではなく、菅自公政権です。
日米首脳会談で「日米同盟強化」が合意されるなか、憲法違反の安保法制=戦争法を廃止して、立憲主義を回復することは、いよいよ急務となっています。
安保法制廃止は、市民と野党の共闘の「一丁目一番地」です。そのことをこの日にあたって今一度確認し、この土台のうえに豊かな共通政策を発展させ、総選挙で、菅自公政権を打倒し、政権交代を実現し、憲法を生かした新しい日本をつくっていこうではありませんか。ともに頑張りましょう。ありがとうございました。