2021年4月24日(土)
温室ガス 米 30年までに半減
気候変動サミット開幕
【ワシントン=遠藤誠二】米バイデン政権がオンラインで主催する気候変動サミットが22日、2日間の日程で開幕しました。温室効果ガス排出量削減について、バイデン大統領は前政権の目標をほぼ倍加させ、「2030年までに2005年比で50~52%減らす」新目標を発表。日本の菅義偉首相は、「30年度までに13年度比で46%減らす」として目標の引き上げを表明しました。(論評)
サミットには世界40の主要排出国・地域の首脳が招待され、国連などの国際機関や経済界、市民社会の代表も参加しています。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、欧州連合(EU)と欧州議会が法案化で合意した「30年までに1990年比55%削減」で「欧州は実質排出ゼロの最初の大陸」にしたいと抱負を語りました。英国のジョンソン首相は、「35年までに90年比78%削減」を進める自国の政策を改めて提示しました。
世界最大の排出国・中国の習近平国家主席は、石炭火力・消費規制強化の姿勢を示し、「地球規模の環境問題の統治を、米国を含めた国際社会とともに進めることを楽しみにしている」と米国などと協力する姿勢を見せました。一方、温室効果ガス削減にむけた新たな目標提示は見送りました。
気候危機打開をめざして行動する「未来のための金曜日」のシエ・バスティダさんは、「化石燃料の時代は終わった」として50年でなく30年に実質排出ゼロを実現するよう求めました。