2021年4月23日(金)
公立大一部学費無料へ
米進歩派が法案 株取引の課税財源
【ワシントン=島田峰隆】民主党進歩派のサンダース上院議員とジャヤパル下院議員は21日、年収が12万5000ドル(約1350万円)に満たない世帯の学生については公立大学の学費を無料にする法案を提出しました。財源はウォール街(金融業界)の株取引などに課税することでまかなうとしています。
法案はコミュニティー・カレッジ(公立2年制大学)の学費も無料にし、資金不足の教育機関への投資も行うとしています。連邦政府の奨学金の最高額を約1万3000ドル(約140万円)にまで引き上げることも盛り込んでいます。
財源として、ウォール街での株取引に0・5%課税し、債権の取引とデリバティブ(金融派生商品)の取引にそれぞれ0・1%、0・005%の手数料を課す方針です。これにより今後10年間で連邦政府に2・4兆ドル(約259兆円)の収入が見込めると見積もっています。
サンダース氏は「無数の有望な若者が、資質がないからではなく家庭に十分な資金がないからという理由で高等教育を受けられないのは全く許されない」と強調。「高等教育は少数者の特権ではなく、すべての人々の権利であるべきだ」と述べました。
同氏の事務所によると、法案には100を超える学生団体、労働組合、人権団体などが賛同しています。