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2021年4月23日(金)

財界発の大学改革

衆院本会議 国大法改定案を可決

共産党は反対

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(写真)質問する畑野君枝議員=22日、衆院文科委

 国立大学法人法改定案が22日の衆院本会議で日本共産党以外の賛成多数で可決され、参院に送られました。同法案は、各大学の中期目標の達成状況をはかる「指標」を中期計画に設けるもの。学長選考会議の「学長選考・監察会議」への改称や、常勤監事の義務化など学長監視機能も強化します。

 21日の文部科学委員会で日本共産党の畑野君枝議員は、学問の自由を保障するため各大学が主体的に策定すべき中期目標に対し、文科省が詳細な「大綱(素案)」を示すなど介入を強めていることを告発。今回の「大学改革」の発信源をただしました。

 萩生田光一文科相は、同省の検討会議提言に基づき、今回の法案に加え、新たに創設する官製「大学ファンド」から資金を受けるにふさわしい大学統治を求める方向性を経済財政諮問会議に説明したと答弁。経団連会長ら財界人が名を連ね、大学ファンド創設を主張してきた諮問会議の求めに沿った「大学改革」という法案の本質が鮮明になりました。

 畑野氏は、新たに加えられる指標に基づき学長選考・監察会議や監事が学長を評価すれば、達成状況が低いことも法令違反とされかねないと指摘。文科省の伯井美徳高等教育局長は、指標が評価材料になることはあり得るとしつつ「達成されなければ法律違反になるものではない」と答弁。運営費交付金算定の成果指標と中期計画の指標は別物との考えも示しました。

 畑野氏は、指標に基づく学長の評価は「国の進める大学改革に学長を従わせるためのけん制・監視機能の強化にほかならない」と批判しました。


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