2021年4月22日(木)
障害者差別解消へ
実効性ある法改定 議論
日弁連がシンポ
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障害者差別解消法改定法案が衆院を通過したなかで、日本弁護士連合会は21日、オンラインシンポジウムを開き、同法案の問題点やあるべき改正の中身について議論しました。280人が参加しました。
日弁連の岩﨑淳司副会長はあいさつで、同法案には前進面がある一方、「差別」の定義や「障害者」の定義の見直しなどに課題を残したままだと指摘しました。
日本障害フォーラム幹事会の佐藤聡副議長は、同法案に民間事業者に対する合理的配慮の義務化が盛り込まれたことを「大歓迎」と評価。同時に法施行が、「公布の日から3年を超えない範囲内」であることには、条例ですでに義務化している自治体があることに触れ、「できるだけ早くして」と訴えました。
自身も聴覚障害がある「シアター・アクセシビリティ・ネットワーク」の廣川麻子理事長。視覚や聴覚に障害がある人も舞台芸術を楽しめるよう活動しています。民間事業者による合理的配慮の提供に実効性をもたせるためにも、事業者の理解や費用負担のあり方を整理する必要性があると語りました。
大阪市の障がい者施策部障がい福祉課の大谷省吾さんは、差別解消に向けた同市の相談取り組みを紹介。高知県で活動する髙野亜紀弁護士は、障害を理由とした差別に関して、国が主導した紛争解決システムの構築の必要性を強調しました。
与野党の国会議員が参加。日本共産党からは宮本徹衆院議員と吉良よし子参院議員が参加しました。