2021年4月22日(木)
外国で別姓婚 有効
夫婦別姓訴訟 国側の主張否定
原告「実質的な勝訴」
東京地裁
夫婦別姓を選択して外国で結婚した日本人夫妻が国を相手に、別姓のまま日本での婚姻の有効性を争っていた訴訟で、東京地裁(市原義孝裁判長)は21日、「原告らの婚姻は有効に成立している」と判断しました。
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海外での別姓婚が、夫婦同姓を義務付けた日本でも有効と裁判所が判断したのは初めてとみられます。
原告は、映画監督の想田和弘さんと映画製作の柏木規与子さん夫妻です。判決によると、2人は1997年アメリカ・ニューヨーク州の方式で結婚。2018年6月6日、東京都千代田区に夫婦の姓を定めないまま婚姻届を出しましたが不受理になったため、同年6月18日、戸籍への記載などによって2人が婚姻関係にあるとの公証を国に求めて提訴しました。
市原裁判長は、2人の請求を棄却する一方で、訴訟で争点の一つとなった「原告らの婚姻の成否」について最初に検討。「婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による」と外国の法律の適用ルールを定めた通則法24条2項にもとづき、「婚姻自体は成立しているものと解するほかない」と認定しました。「原告らが『夫婦が称する氏』を定めていないため、我が国において婚姻が成立していない」とする国側の主張を「採用することはできない」としました。
判決後、オンラインで記者会見した想田さんと柏木さんは、「私たちの婚姻が日本でも事実婚ではなく法律婚だと認められたことは実質的な勝訴です」と喜びをかみしめました。