2021年4月21日(水)
国策協力の大学づくり
国大法改定案 参考人が危険性指摘
衆院文科委
衆院文部科学委員会は20日、学長選考会議や監事の学長監視機能の強化を柱とした国立大学法人法改定案について参考人質疑を開きました。「国策への協力の観点から学長へのけん制を可能にするもの」(光本滋・北海道大学准教授)など、危険性を指摘する意見が相次ぎました。
光本氏は、2004年の国立大学の法人化以降、文科省が統制を強めてきた経過を報告。法案は、中期計画の進行状況を監事が常時監視し、遅れがあれば選考会議に学長を「法令違反」として報告する仕組みになっているとし、「大学が自由な学問を行うことができなくなる」と強調しました。
石原俊・明治学院大学教授は、教職員の投票結果が尊重されていた国立大学の学長選出方法が、法人化後は投票自体が廃止されたり結果が軽視されるようになったりしてきたと指摘しました。
日本共産党の畑野君枝議員に石原氏は、監事や選考会議といったごく少数のメンバーによる監視や決定ではなく、教職員や学生の意見表明を保障する改革こそ必要だと語りました。