2021年4月21日(水)
広域的重症者受け入れ 国責任・主導で体制を
BS番組 小池書記局長が出演
日本共産党の小池晃書記局長は19日夜のBS―TBS番組「報道1930」に自民党の武見敬三参院議員らと出演し、大阪府をはじめ全国で新型コロナウイルス感染拡大が止まらない事態での国や大阪府の対応の問題点を指摘し、国や自治体が科学的なデータに基づき責任を果たすべきだと主張しました。
小池氏は感染拡大に「歯止めがかかっていない」(武見氏)ことについて、国も大阪府も、対策の問題点や不十分な点を分析・総括しないままでは、「同じことを繰り返すことになる」と批判。徹底的な検査で感染を抑えると同時に、「国のイニシアチブで、重症患者を広域的に受け入れる体制をつくるなど緊急支援が必要だ」と主張し、深刻な医療崩壊が起こりつつあるにもかかわらず、菅首相が「第4波」とすら認めない政府の危機感の欠如を批判しました。
大阪府が、病院に半ば強制的に病床確保を要請していることについて、小池氏は「多くの病院はコロナ患者の入院医療だけでなく、発熱外来やコロナ以外の患者の診療など、役割分担をしながら(地域医療を)担っている」と指摘。「一律にコロナ患者の入院受け入れを強制するのは現場に大変な混乱をもたらす」と強調し、「地域の(医療機関の)ネットワークをつくる戦略を提起するのが行政の役割だ」と主張しました。佐々木洋大阪府病院協会会長は、重症化し人工呼吸器が必要な場合、「中小の病院ではそういう治療は難しい。重症化する可能性がある中等症の患者を受け入れるのは難しくなることを心配している」と述べました。
ワクチン接種の遅れについても議論に。小池氏は、同日、自民党の下村博文政調会長が65歳以上の人のワクチン接種が「年内いっぱい、あるいは来年までかかる」と発言したことに触れ、「政府や与党がいろんな情報を乱発して、国民が不安になっている。期限を区切った接種スケジュールなど、政府が責任をもって統一した情報を示すべきだ」と主張しました。
番組では、データに基づく科学的な政策で感染拡大を抑え込んでいるイギリスの取り組みを紹介。小池氏は、「日本の場合は、オリンピックや選挙などに(コロナ対策が)左右されていると言われても仕方がない」と指摘。「感染症に対しては徹底的に科学的な対応をすべきで、政治的な判断で左右されることは排するべきだし、東京五輪は中止すべきだ」と強調しました。
ロンドンからの中継で秌場(あきば)聖治TBS支局長が、イギリスでは検査キットが無料配布され、「できるだけみなさん週に2回ぐらいやってください」と政府が呼びかけていると紹介。小池氏は「日本でもすぐにできる」として、「科学に基づく対策になっていないことが日本の最大の問題。最悪の事態を想定した対策をとるとともに、結果には責任を持つのが政治の役割だ」と述べました。