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2021年4月19日(月)

コロナ蓄財 米長者の富

下位半分総額の4倍超

民間団体など報告書 「民主主義ゆがめる」

 【ワシントン=島田峰隆】米国の億万長者719人が持つ富の総額は2021年4月時点で4兆5600億ドル(約496兆円)に達しました。米国の所得下位半分にあたる約1億6500万人が持つ富の総額の4倍超に相当します。民間団体「税の公平性を求める米国民」(ATF)とシンクタンク「政策研究所」(IPS)が15日に出した報告書で指摘しました。

 719人の億万長者は、米国で新型コロナウイルスの感染拡大が始まった20年3月18日から21年4月12日の13カ月間に55%も富を増やしました。同じ期間に米国では3000万人以上が感染し、56万人以上が亡くなり、約7700万人が失業しました。

 インフレ率を考慮に入れて計算すると、1990年時点では所得下位半分の国民が持つ富の総額は当時の66人の億万長者が持つ富の総額を上回っていました。31年間に富裕層減税・法人税減税などで億万長者はますます富を獲得し、関係が逆転し、格差が広がり続けている形です。

 報告書をまとめたIPSのチャック・コリンズ氏は「30年余りで富は着実にトップのほうに流れ続けた。パンデミック(世界的流行)に伴う億万長者の富の急増は、そのおぞましい節目となった」と指摘。「議会は富裕層への課税を復活させ、民主主義をゆがめるような富と権力の集中を制限するために行動するべきだ」と述べました。


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