2021年4月17日(土)
入管法改悪 廃案必ず
「送還ではなく保護を」
移住連、国会座り込み
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入管法改悪案が衆議院で審議入りした16日、衆院第2議員会館前で「難民の送還ではなく保護を」などのプラカードを手に市民が廃案を求めて座り込みました。主催は、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)。
「初めてこうした行動に参加した」と話す若者もおり、市民や弁護士、学者や国会議員らがリレートークでアピールしました。
移住連の鳥井一平代表理事は、改悪案は社会にとって都合の悪い人を排除しようとするものだと強調。「絶対に廃案に追い込まないといけない。そのために頑張りましょう」と呼びかけました。
横浜市の医師、越智祥太(さちひろ)さん(52)は、入管問題は日本に住むすべての人に関わる問題だと考え座り込みに参加。「日本に暮らす外国人はどの面から見ても弱い立場に置かれている。より良くしていくべきなのに改悪なんて許せない。廃案にするべきです」と語りました。
日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員が参加。共産党の藤野保史衆院議員は「力をあわせて必ず廃案に追い込みましょう」と述べました。移住連は今後、法務委員会開催日を中心に座り込みを実施。「さらに反対の声を広げていこう」と参加を呼びかけています。
死因説明「納得できない」
スリランカ人女性遺族が会見
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名古屋出入国在留管理局で3月に死亡したスリランカ人女性のウィシュマさん=当時(33)=の遺族が16日、ウェブ中継で野党が開くヒアリングに参加し、会見しました。「入管から納得できる説明がない」と述べ、収容中の映像や診断書などを渡すよう求めました。
支援団体によると、女性は学費が払えなくなったことで滞在許可を失い、入管に収容されていました。体調不良で点滴を求めていたものの、悪化、死亡しました。
母親は出入国在留管理庁に対し、「日本は安全で安心と思っていた。なぜ診察や薬を受けられなかったのか」と問い、指宿昭一弁護士は、女性が点滴を求めていたことの事実確認を迫りました。
入管庁の担当者は「司法解剖で死因を調査中。点滴の件は調査を続ける」と述べました。
女性の妹は「スリランカのような小さな国でももっと早く結果が出る。なんで日本は遅いのか」と不信感を表し、ヒアリング後の会見で「入管庁は逃げているような感じだった」と述べました。
母親は会見で、「ウィシュマは頭がよくて、英語を教える子どもたちに愛されていた。すごくショックを受けている」と述べました。
母親によると、安全な国として日本を選び、渡航のため借金。スリランカでも事件が報道され、安全な国という日本のイメージが損なわれているといいます。「入管には納得できない。なんで点滴くらいしてもらえなかったのか」と泣いて訴えました。