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2021年4月17日(土)

入管法改定案 藤野議員の質問

衆院本会議

 日本共産党の藤野保史議員が16日の衆院本会議で行った入管難民法改定案に対する質問(要旨)は次の通りです。


 政府は「移民政策はとらない」との建前の一方、経済界が求める「安価な労働力」「雇用の調整弁」として外国人の受け入れを拡大する欺瞞(ぎまん)的な姿勢を取り続けてきました。このもとで、外国人の基本的人権を尊重した雇用、教育、社会保障などの支援制度は整備されず、不当な労働条件の押しつけや雇い止めなど人権侵害が横行しています。

 在留資格を失った外国人を全て収容する「全件収容主義」のもと、まともな医療すら受けられない長期収容が常態化し、死亡事件も相次いでいます。基本的人権の尊重と国際人権基準に基づく入管制度に改めるべきです。

 本案は、出入国在留管理庁の裁量拡大と厳罰化を進めるものです。外国人の人権侵害をさらに深刻化し、国際基準から逆行するもので、断じて認められません。

 一定の要件をみたす外国人に入管施設外での生活を認める「監理措置制度」は、入管庁が「相当と認めるとき」にしか認められず、長期収容の改善が進む保証はありません。

 監理人に対する、外国人への監督義務、政府への届け出義務、違反時の罰則は、支援団体や弁護人の立場と両立しません。収容の要否等への裁判所の関与、収容期間の上限設定などを行うべきです。

 本案は、難民認定申請中は強制送還しないルールを改悪し、3回目の申請以降は強制送還できるとします。日本の難民認定率が0・4%以下と極めて低いことこそ、複数申請の根本原因ではありませんか。

 極端に狭い日本の「難民」の定義を国際水準に改め、独立した第三者機関が難民認定の審査をするなどの抜本改革こそ必要です。

 国外退去を拒んだ場合の罰則の創設は極めて重大です。退去強制令書を受けた人の9割超が国外退去に応じています。親の事情で在留資格がないまま日本で生まれ育った子どもや、非人道的な弾圧が続いているミャンマーやクルドなどから避難し、難民申請している人など、本来保護されるべき外国人の強制送還を増加させるのではありませんか。

 国連人権理事会「特別報告者」らは3月、「国際的な人権水準に達しておらず、再検討を強く求める」との共同書簡を日本政府に提出しています。外国人との共生社会の実現に向け、入管制度の根本改革を強く求めます。


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