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2021年4月14日(水)

幹部会 志位委員長のまとめ

 いま全党は、7日の「総選挙躍進オンライン全党決起集会」での志位和夫委員長の幹部会報告を受けて、党機関でも、支部でも、その討議・具体化をすすめています。この報告を深めるうえで、6日の幹部会での志位委員長の「まとめ」は、二つの目標の考え方や中国問題の解明など、重要な内容が語られています。これも力に討議・具体化を促進しましょう。(「総選挙躍進特別期間」推進本部)


 まとめの発言をします。常任幹部会の提起が討論で深められ、この方向で行こうという決意が固まった会議になったと思います。

 今日の幹部会の最大の主題は、コロナ危機のもとでも前進できる党活動を、みんなの知恵と力を集めてつくろうというところにあったのですが、報告でのべた方向が、いまの実情にかみ合っているし、多くの同志のみなさんの悩みに対する回答としても受け止められるということが、討論でも明らかになったのではないかと思います。この会議は非常に重要な会議になったと思います。

全党の努力に学び、光をあて、励まし、一緒に探究・開拓していこう

 そのうえで若干の点をのべますと、報告で提起したようなコロナ危機のもとでの活動の発展のためのさまざまな努力というのは、実は支部のところでは、すでにいろいろと工夫してやっているというものなんですね。そのことは今日の発言でもずいぶんと出されました。もともと今度の幹部会への報告そのものが、全国のさまざまな経験に学んで作成したものなのですが、報告で紹介した実例だけではなく、全国ではすでにさまざまな努力と工夫が行われています。

 今日の発言でも、たとえば、神奈川の地域支部で、班に分けて支部会議を開く努力をしていることが報告されました。医療現場の職場ではオンラインで支部会議を行っている努力も報告されました。

 「集い」についても、たくさんの経験が報告されましたが、たとえば長野県の鮎沢委員長からは、ある村でやった「集い」では、感染対策を考えて、「集い」の参加者について、対象者も絞るし、党の側も絞るし、お互いに絞って、文字通りのミニ「集い」にして、感染対策をしっかりやって、繰り返し開く努力をやっているとのことでした。

 私は、こういう発言を聞いて、わが日本共産党というのは、すごい組織だと思います。コロナ・パンデミックという未曽有の危機のもとでも支部の同志がいろいろと工夫したり、努力をして、支部会議という一番大事な場は絶対に開催しなければならない、そして仲間を増やそうと思ったら「集い」は必要だと、それをどうやってやろうかということを工夫しながらやっているわけですね。私たちは、これらの努力にしっかり学びたいと思います。

 今回の会議で提起した方針というのは、そうやって全党で始まっている努力に中央も学び、そういう努力に光をあて、励まし、背中を押し、一緒に探究・開拓していこうという方針ですから、自然で合理的な方針として歓迎していただけるのではないかと思って、発言を聞きました。そこに自信をもって意気高くとりくみたいと思います。

「二つの目標」――高い志の攻勢的目標、掛け値なしにやるにはたいへんな努力が

 同時に、もう一つ強調しておきたいのは、今回の幹部会に対して行った「特別期間」の「二つの目標」の提案は、2中総の目標からしますと、思い切った調整も行っているわけでありますが、それは決して志の低い目標ではありません。

 量的目標とした「党勢拡大で必ず前進に転ずる」ということも、党員拡大でも、読者拡大でも、12月からの4カ月連続後退を、反転させて、着実な前進の軌道にのせること自体が大仕事です。

 同時に、質的目標とした「コロナ危機のもとでも前進できる党活動」は、コロナ危機のもとでの防衛的な目標にとどまらず、党の会議、「集い」、世代的継承のどれをとっても、この機会に、質的に強い党をつくる。支部会議にしても100%が開催し、「支部が主役」の活動をつくりあげる。そういう大きな志にたったものです。

 ですから「二つの目標」というのは、決して受動的なものではなく、リアルに到達点を踏まえながら、高い志にたった、たいへん攻勢的なものだということを強調したい。

 そして、この目標を本当に掛け値なしにやるには、たいへんな努力が、やはり必要です。そこは、この目標を確認していただけたら、確認した以上は、本当にしがみついて、これにちゅうちょなく挑戦して頑張ってやり抜きたい。量と質の両面の目標ということを申しましたが、量的にも質的にも総選挙に向けた前進の道筋が見えてきたといえる4月、5月にするために頑張りたいと思います。

「支部が主役」に徹すればやりぬく展望が見えてくる

 何と言っても、要求運動でも、党員拡大でも、読者拡大でも、結局は「支部が主役」でこそ前進がつくれます。「支部が主役」ということに徹すれば、党員拡大で2万人の働きかけをやろうと言っておりますが、全国で1万8千のすべての支部が足を踏み出せば一気に達成可能な目標であるわけです。

 読者拡大でも、この間、月単位でみて、拡大で成果をあげている支部は三十数%です。これを五十数%、六十数%までに行けば楽々と前進に転ずることができますし、さらに引き上げれば飛躍を起こすことができます。結局は「支部が主役」に徹することだと思うんですね。

 この「支部が主役」ということを口で言うだけじゃなくて、その一番の土台になるのが支部会議なのですが、実はこれが弱まっている。ここを本当に自覚的に強めて、コロナ危機のもとでもできるように工夫もして、その工夫を励まして、みんなで知恵と力を絞って、支部会議をもっともっと豊かにやっていこうじゃないか、そして要求実現も党勢拡大も、支部会議で自分たちの自覚的方針として具体化し、足を踏み出していこうという方針ですから、「二つの目標」ということを言いましたが、実は、量と質の前進は一体なわけです。まさに「支部が主役」ということを文字通り貫いて、今日提起した方針をやり抜きたいと思います。

市民と野党の共闘――5年半の積み重ねに自信をもって進もう

 政治論についても、たくさん議論されました。

 市民と野党の共闘の問題では、元気で頑張っている長野の経験が語られましたが、私たちは共闘を、すでに5年半やっているわけです。5年半の共闘の積み重ねというのは、全国各地の現場では、たくさんの心が通う共闘の関係を発展させています。あれこれの複雑な動きがあっても、誰もそれを覆すことなどできません。5年半の共闘の積み重ねをひっくり返すことなど誰にもできないのです。そこは自信をもって進んでいく必要があると思うんですね。

 これを前進させるためにも、私たち日本共産党がブレずに共闘を推進するということが大切で、報告でものべたように、リスペクトの精神に立って、困難を打開していくということが本当に大事で、その姿勢を貫いていくことによって、党に対する信頼が広がっていくことは間違いないんじゃないか。それは現在進行形ですが、長野の経験でも裏付けられていると思います。

中国の問題――日本共産党の果たすべき国際的役割は大きい

 それから、中国の問題について、何人かの同志から、これをきちんと語っていく必要性が強調されました。

 報告で、「中国の問題点に対応するうえで、何よりも大切なのは、国際法に基づく批判であり、『国連憲章と国際法を順守せよ』と中国に迫っていく国際世論による外交的包囲である」と強調したのですが、覇権主義の問題でも、人権侵害の問題でも、この点こそが一番大切なことだということを、強調したいと思います。

 実は、日本政府はもとよりですが、米国政府も「国際法を守れ」と言えない弱点があるのです。いま米中が、東・南シナ海の問題や人権問題で対立している。いかにもバイデン米政権が正義の主張をしているという見方が多いのですが、米国政府の主張をよく見てみますと、国際法にもとづく中国批判ができないのです。

 米国政府は、中国海警法に対しても、「国際法違反」と断じることを避けています。だいたいアメリカは世界最大の覇権主義国ですから、中国を覇権主義と批判すると自分に跳ね返ってくることになる。だから本質的批判ができないのです。

 人権問題も同じです。米国政府は、香港やウイグルなどでの人権侵害を批判するわけですが、国際法に照らした批判は見られないのです。日本共産党は、これらの問題が国際法に照らしてどこが問題かを、世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言など、中国自身が賛成した人権保障の国際的取り決めに照らして、「これは内政問題ではない。国際問題なのだ」と批判していますが、米国政府にはそうした論建てがありません。米国務省が毎年発表している人権問題に関する報告書は、最新版で、中国の人権問題について154ページもさいていますが、国際法との関係を論じた部分はありません。なぜかというと、「米国の外交政策目的に適合する場合にしか国連の人権システムに従わない」。これが米国政府の公式の立場だからです。人権問題でダブルスタンダード(二重基準)をやっているものですから、これは本質的批判はできないのです。

 そういうもとで、日本共産党が国際法にもとづいて冷静な批判を貫いていることは、報告でも強調したように、「実はこの点が、国際的にも全体として弱いもとで、私たち日本共産党が果たすべき国際的役割は、大きなものがある」ということを、重ねて強調しておきたいと思います。

世代的継承――大会第二決議、2中総決定を踏まえて、「二つの目標」に明記

 最後に、発言で京都の渡辺府委員長から、「二つの目標」のなかにも、「世代的継承の重視」を最後に1行入れてほしいという提案がありました。これは入れたいと思います。これは大会の第二決議の精神、2中総決定の精神を踏まえて、当然のことですが、幹部会報告の目標の最後にきちんと入れて、文字通りその精神でやっていきたい。これは補強して報告をしたいと思います。

 以上でまとめとします。幹部会として、この決定を踏まえ、総選挙躍進にむけて、力をあわせて頑張っていきたいと思います。


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