2021年4月8日(木)
「慰安婦」訴訟賠償判決
各国法律家が支持声明
9カ国400人超
日韓や米国など9カ国の弁護士や研究者らが7日、韓国のソウル中央地裁が日本軍「慰安婦」の被害者への損害賠償を日本政府に命じた判決(1月8日)を支持する国際法律家声明を発表しました。
声明は、同判決は被害者の裁判を受ける権利を重視し、国家は外国の裁判権に服さないとする「主権免除」の適用を例外的に否定しており、「発展しつつある慣習国際法に合致し、国際法の未来を切り拓(ひら)く優れた判決である」と指摘。日本政府に同判決を履行するよう求めました。
呼びかけ人の山本晴太弁護士は会見で、重大な人権侵害の最後の救済手段が国内裁判である場合に主権免除の例外とする主張が認められてきていると指摘。「今回の判決はアジアで初めて『人権例外』を認めた。国家によって侵害された人権を回復する新しい手段を与えた判決だ」と述べました。東京造形大学の前田朗教授は、人権侵害に対して被害者救済を第一とする「被害者中心アプローチ」という国際的な流れを踏まえた判決であり、「日本政府は改めて被害者に誠実に向き合うべきだ」と指摘しました。
韓国の「慰安婦」訴訟弁護団の柳光玉(リュ・グァンオク)氏は、被害者が相次いで亡くなっており、06年の請求時は被害者が109人いたものの、判決が出た20年には4人しか残っていないと指摘。「今からも世界の法律家と協力して頑張りたい」と語りました。
日中韓、米国、ニュージーランド、イタリア、英国、スウェーデン、オーストラリアの9カ国、計410人が賛同しました。