2021年4月7日(水)
契約書面交付の電子化
“被害拡大する”と追及
畑野議員
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日本共産党の畑野君枝議員は6日の衆院消費者問題特別委員会で、特定商取引法で定められた紙の契約書面の交付を電子化する改定法案の提出に対し、消費者被害を防ぐ役割を持つ書面交付の重要性を強調し、被害拡大につながるとして電子化の撤回を迫りました。
畑野氏は、川崎市消費者行政センターでの昨年度上半期の相談件数の1位がデジタルコンテンツで、平均購入金額は23万8千円、契約・解除の相談が全体の8割だと指摘。紙の書面交付の義務付けは、訪問販売や連鎖販売取引(マルチ商法)などトラブルが多い契約から消費者を守るためのものであり、被害に第三者が気付く「見守り機能」が電子化で失われる懸念を示しました。
井上信治消費者担当相が、電子化は「消費者の承諾を得た場合に限る」と述べたのに対し、畑野氏は、利益誘導や脅しで承諾を迫る例も考えられると指摘。「大臣の説明は歯止めにならない」と批判しました。
井上担当相は「書面交付義務は重要な制度だ」としながら「(政省令で)消費者保護に万全を期す。消費者団体から意見を聞き、具体的な詰めを行っている」と答弁。畑野氏は各界の懸念の声を突き付け、法案そのものの修正を求めました。
また畑野氏は来年4月の成年年齢18歳への引き下げに伴う被害対策、消費生活相談員の処遇改善を求めました。