2021年4月3日(土)
米、5人に1人 お金なく受診できず
民主党進歩派「国民皆保険が必要」
国民皆保険制度のない米国では、おとなのおよそ5人に1人にあたる約4600万人が「もしいま治療が必要になってもお金がないので受けられない」と答えています。米ギャラップ社が3月31日、2月に行った調査の結果を発表しました。与党民主党の進歩派は、国民皆保険制度の導入で医療を人権として保障することが必要だと指摘しています。(島田峰隆)
調査会社発表
経済的な理由で「治療が受けられない」と答えた人は、アフリカ系住民では29%、ヒスパニック(中南米系)では21%、白人では16%でした。人種間格差が鮮明です。
過去12カ月間に実際に本人あるいは家族が治療を諦めたことがあるという人は全体で18%でした。治療を断念した人の割合は、年収が最も低い層で最も多くなっています。治療費を捻出するために食費や衣服代を削ったという人も低所得者層に集中しました。
ギャラップ社は、コロナ禍で「低所得世帯に犠牲がかたよっている」と指摘しています。
民主党進歩派のジャヤパル下院議員は調査結果についてツイッターで「医療は豊かな人たちの特権になってはならない」と強調。「だれにでも認められた権利であり、いまこそ国民皆保険制度の出番だ」と述べました。
ジャヤパル議員は国民皆保険制度を導入する法案を3月半ばに提出。113議員が共同提案者になっています。