2021年4月3日(土)
少年法の歴史ただす
藤野議員 改定案の審議前に
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日本共産党の藤野保史議員は2日の衆院法務委員会で、週明けから少年法改定案の審議が始まるのを前に、同法の歴史について質問しました。
藤野氏は、戦前は絶対主義的天皇制のもと、旧少年法が多くの少年を戦場や満州に送り出す役割を果たしたと指摘。その反省から戦後は、日本国憲法の基本的人権尊重の原則のもと、「『少年の健全な育成』へ法の理念が根本的に転換された」と述べました。
現在、少年犯罪の厳罰化を容認する世論と、凶悪犯罪を含め減少傾向にある実態とに大きなかい離があります。藤野氏は、1966年に18歳への適用年齢引き下げなどの現行法改定の動きがあった際、当時の石井光次郎法相が広く意見を募り、最高裁判所が特別委員会を設置して反対意見をとりまとめたことを紹介。本法案についても、法務省として広く意見を募り、少年犯罪の現場をよく知る最高裁や家庭裁判所が声を上げるべきだと迫りました。
上川陽子法相は提起に応じず、最高裁も「立法政策の問題だ」と否定しました。
藤野氏は、「今回の改定の議論は66年当時と大きく違い、与党のプロジェクトチーム主導で強引に進められた」と批判。多くの元裁判官や弁護士会、刑事法学者、法律家団体が上げる反対の声を「政府は受け止めるべきだ」と強調しました。