2021年4月3日(土)
病床削減誘導やめよ
高橋議員 医師不足解決こそ
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日本共産党の高橋千鶴子議員は2日の衆院厚生労働委員会で、統廃合や病床削減をおこなった医療機関に配る全額国費の給付金に消費税増税分を充てて恒久化する「病床削減推進法案」に対し、病床確保が課題の新型コロナ対策に矛盾すると批判し、病床削減路線を見直すよう迫りました。
質疑の中で厚労省の迫井正深医政局長は、昨年度限りとしていた病床削減支援給付金に計152医療機関が申請しており、単独病院で病床を削減する際に32道県で51億円を支援したことなどや、再編統合の検討を要請した436の公立・公的病院のうち22病院が含まれていることを明らかにしました。
高橋氏は給付金の恒久化で削減を加速させるのかと追及。すでに各地で再編統合の動きが進んでいるとして、「国は強制ではないと言うが、『誘導』になっている」とただしました。
田村憲久厚労相が「支援しているつもりだ」と強弁したのに対し、高橋氏は名指しで再編統合を迫るのではなく「財政難や医師不足などの原因をよく見るべきだ」と求めました。
そのうえで、病床削減支援給付金は削減分の損失を埋める形で算定しているため、「この考え方は(コロナ対策の)減収補てんにも通じるものがある」と補てんの実施を要求。経営難でやむをえず病床削減する事態にならないよう求めました。
高橋氏は、医師の時間外労働を過労死ラインの倍近く認めるという政府方針に対し、「長時間労働が恒常化すれば医師不足に拍車がかかる」と追及。田村厚労相が「2035年に向かって減らしていく」と言い訳したのに対し、「あと14年も(現場は)もたない」として方針の見直しを強く迫りました。