2021年4月3日(土)
銀河系内最強の宇宙線“加速器” 「ペバトロン」存在の証拠つかむ
東大など日中のグループ
銀河系内に存在するとされながら確証が得られていなかった伝説の宇宙線“加速器”「ペバトロン」の実在を示す決定的証拠をつかんだ―。東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長たちが2日記者会見して発表しました。ペバトロンは人工の加速器がつくりだす最大エネルギーの約100倍を超えるような超高エネルギーの宇宙線の起源です。
同研究所など日本と中国の研究グループは、中国・チベット自治区の標高4300メートルの場所にガンマ線を感度よく観測する装置を設置し、実験を続けています。2014年から17年まで約2年間のデータを解析したところ、最高1000兆電子ボルト(エネルギーの単位)のガンマ線が天の川(銀河系円盤)方向に沿ってきていることが明らかになりました。
1000兆電子ボルトのガンマ線の観測は人類史上初。同研究所の瀧田正人教授は「私たちの発見は、ペバトロンが銀河系内に確実に存在していることを示す決定的証拠となった」と意義を強調しました。