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2021年4月3日(土)

個人情報を企業利益に活用

デジタル5法案 自公などが可決

衆院内閣委 塩川議員が反対討論

 「行政が特定の目的のために集めた個人情報を『もうけのタネ』として利用し、成長戦略や企業の利益につなげようとするものだ」―。デジタル関連5法案が2日の衆院内閣委員会で採決され、日本共産党の塩川鉄也議員が反対討論を行いました。5法案はそれぞれ自民、公明両党などの賛成多数で可決されました。


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(写真)反対討論に立つ塩川鉄也議員=2日、衆院内閣委

 同法案は、行政が個人情報を集積し、企業等に開放して利活用しやすい仕組みにするもの。塩川氏は、個人情報保護法制の一元化で、自治体の個人情報保護条例に縛りをかけ、保護の仕組みを切り捨て、自治体独自の保護策を掘り崩すものだと批判しました。政府の「マイナポータル」を入り口に、個人情報を集積しており、情報連携に歯止めがないことがうきぼりになったと強調。またデジタル庁が整備し統括・監理する全国的なクラウドの仕組みである、ガバメントクラウドは不透明であり、集積された情報は攻撃されやすいとして、プライバシー侵害の懸念をのべ「求められているのは、情報の自己コントロール権を保障する仕組みだ」と強調しました。

 塩川氏は、「情報システムの共同化・集約の推進」が、「自治体は国がつくる鋳型に収まる範囲の施策しか行えないことになりかねない」と指摘。デジタル庁は国だけでなく自治体に対しても強い権限を持ち、予算配分など口を挟めるようになるとして「地方自治の侵害だ」と批判しました。

 塩川氏はまた、マイナンバー制度は国民の所得・資産・社会保障給付を把握し、国民への徴収強化と社会保障費の削減を進めるためのものだと指摘し、同制度の廃止を求めました。

 その上で塩川氏は、デジタル庁職員100人以上が企業に籍をおいたまま、給与補填(ほてん)をうける非常勤だとして、官民癒着が広がる恐れがあるとして「デジタル庁は必要ない」と主張しました。


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