2021年3月26日(金)
少年法改定案審議入り
立ち直りの機会奪う 藤野氏批判
衆院本会議
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来年4月の改正民法の施行で成年として扱われる18、19歳について、20歳以上と同様の刑事手続きにかける対象事件を拡大し厳罰化する少年法改定案が、25日の衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の藤野保史議員が質疑し、「少年から立ち直りの機会を奪う」と批判しました。(質問要旨)
改定案は18、19歳を「特定少年」と位置付け、家庭裁判所から検察官に送致(逆送)する対象事件を拡大。素行不良などで将来犯罪を起こす可能性があるとして家裁に送致する「虞犯(ぐはん)」の対象からも外します。
藤野氏は、少年法の目的「少年の健全な育成」(第1条)は日本国憲法に基づく重要な理念だとし、「特定少年」にも及ぶか確認。上川陽子法相は「18歳以上の少年についても、引き続き同法の目的がおよぶ」と答えました。
藤野氏は「現行法は、全事案を家裁に送致し、調査官が少年の資質や犯罪の背景にある家庭環境等をきめ細かく調査し、教育的観点で処遇を決定する」と指摘。逆送の対象拡大でこうした家裁の関与が弱まり、「多くの少年から立ち直りの機会を奪い、逆に再犯の可能性を高める」と強調しました。
上川法相は、成人年齢引き上げや刑事司法への国民の信頼確保を理由に、対象拡大は「必要だ」と強弁しました。
藤野氏は、「虞犯」の女子比率は男子より高く、性風俗産業などへの従事はその典型だと指摘。「虞犯を機とする保護処分がセーフティーネットとして重要な役割を果たしている。政府がやるべきは、少年法に携わる人や現場への支援の抜本強化だ」と主張しました。