2021年3月20日(土)
思いやり予算延長へ
衆院委で可決 赤嶺氏「容認できぬ」
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在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の支出根拠となる特別協定を1年延長する改定議定書の承認案が19日、衆院外務委員会で採決され、自民、公明、維新、立民などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の赤嶺政賢議員は反対討論で、同協定による駐留経費負担は日米地位協定上「日本が負担する義務の全くないものだ」と指摘。1978年から「思いやり予算」として基地従業員の福利費や施設整備費の負担に踏み切り、87年の特別協定締結で負担範囲を拡大し、開始以来の総額は8兆円近くに上ると強調。「コロナ禍で多くの国民が困窮するときに、負担を続けるのは断じて容認できない」と批判しました。
また赤嶺氏は、日本政府が、駐留経費の米側負担額や基地内外の居住者数、隊舎・家族住宅への入居率、米政府が公表している在日米軍の駐留人数など基本的な情報を明らかにしていないと指摘。「これで実質的な質疑ができるのか。国会と国民への説明責任を果たすべきだ」と求めました。
赤嶺氏は、16日の外交・軍事担当閣僚会合(2プラス2)で中国に対抗するため「日米同盟の抑止力・対処力の強化」を確認したことに関し、「軍事対軍事の悪循環に陥ってはいけない」と批判。新たな米軍部隊の配備や駐留経費の負担増に応じないよう強調しました。
採決に先立つ質疑で赤嶺氏は、米国務省が公表した資料に次期協定に関して「拡大された」合意に向けて交渉を継続していると明記し、日本側負担の拡大を求める姿勢を明確にしていると指摘。増額要求を拒否し、特別協定は廃止するよう強く求めました。