2021年3月19日(金)
病床削減推進法案
宮本議員の質問(要旨)
衆院本会議
日本共産党の宮本徹議員が18日の衆院本会議で行った、病床削減推進法案に関する質疑(要旨)は次の通りです。
新型コロナ・パンデミックは、医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにしました。欧米より桁の少ない感染者数で日本が医療崩壊に直面したのは、医師・看護師の少なさも大きな要因だったのではありませんか。
本法案の最大の問題は、「病床機能再編支援事業」を地域医療介護総合確保基金に位置付け、全額国庫負担で病床削減を加速化する点です。政府の検討会で、「余力がないとコロナ患者を受けることができない。余力をできるだけそぐのが地域医療構想」だと指摘されました。政府は「感染拡大時には機動的に対応」といいますが、これ以上、医療体制の余力をそいで対応できるのですか。
病床削減ありきの姿勢は改め、地域医療構想は撤回し、コロナでの医療崩壊を教訓に医療体制を構築すべきです。知事会からも「病院に再編整理の話を持ちかけるのはナンセンス」と厳しい批判があります。医療機関への支援、医療従事者らへの2度目の慰労金の支給こそやるべきです。
今回のパンデミックとのたたかいは、率先して患者を受けた公立・公的病院の頑張りぬきにはありえません。436の公立・公的病院を名指しし再編・統合の検討を迫るリストは撤回すべきです。
病床削減の財源は全額消費税増税分です。増税の際、そんな説明がどこにあったのか。与党の選挙公約にありましたか。「社会保障充実のため」としながら、増税分で病床削減を進めるなど許されません。
医師の長時間労働を規制するといいますが、時間外労働の上限は、過労死ラインの2倍、年1860時間です。日本外科学会の調査で、「医療事故・インシデント」の原因について、「過労・多忙」との回答が8割にも上ります。長時間の連続労働をなくし、交代勤務制の導入を進めるべきです。
長時間労働を是正し、地域医療を守るためにも、医師・看護師数の増加が必要です。医師数は経済協力開発機構(OECD)平均並みにするには13万人不足しています。
政府は、医師の需給推計なるものに基づき、2023年度から医学部定員を削減する方針です。この推計は前提が何重にもおかしい。男女比について、医師試験受験者を女性32%で固定化しています。ジェンダー平等を進める気はないのですか。また、年960時間や720時間の時間外労働を前提とせず、週40時間労働を前提とすべきです。医学部定員削減はやめ、医師・看護師を増やし、医療体制を強化することを求めます。