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2021年3月17日(水)

国内で変異? 既知の株にない遺伝子配列

栃木で発見

遺伝研と民間病院が協力

 国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の川上浩一教授とインターパーク倉持呼吸器内科(宇都宮市)の共同研究で、新型コロナウイルスの変異株の感染が栃木県内で確認されました。民間の医療機関と国立研究機関の共同研究で変異株が発見されたのは初めてです。

 倉持呼吸器内科から1月に提供された検体約300と、3月になって提供された検体5を川上教授が遺伝子解析した結果、3月分からE484Kというタイプの変異が3検体について見つかりました。

 E484Kは、ワクチンの効き目を弱める免疫逃避のおそれが指摘されている変異で、南アフリカやブラジルで見つかった変異株に特徴的な変異です。

 川上教授によると、今回見つかった変異株はブラジル株や南ア株と異なる配列をもち、日本国内での変異による可能性も排除できないとしています。国立遺伝学研究所は全ゲノム配列を分析、確定したうえで論文として発表する予定。慶応大学の研究グループも国内で生じた可能性がある変異株を解析しており、警戒と対策を強化する必要があります。

 変異株を含め新型コロナウイルスの遺伝子解析は、基本的に陽性検体を国立感染症研究所に集めて行われていますが、より広く大学や民間医療機関も動員し早期発見体制を強める必要が指摘されています。今回の取り組みで、官民の協力の有効性も示されており国は体制強化を急ぐべきです。


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