2021年3月17日(水)
医療従事者確保策示せず
参院委 田村氏 五輪中止の検討要求
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日本共産党の田村智子議員は16日、参院内閣委員会で東京五輪・パラリンピック問題について政府の姿勢をただしました。
同大会のコロナ対策は昨年12月、政府が中心となってまとめた「新型コロナウイルス感染症対策調整会議」の中間整理に基づき講じられています。田村氏は中間整理が、緊急事態宣言発令前にまとめられたことを問題視。「その後、医療崩壊が起き、変異株など、コロナ感染は質的に深刻さが違う状況。(調整会議で)再度の協議を行うべきではないか」とただしました。
答弁に立った丸川珠代五輪担当相は「私も問題意識は同じ。変異株の知見を踏まえ、どのような対応が必要か議論を進めているところ」と危機感を示す一方、「変異株が出てもスポーツ大会が開催されている。安全安心な対策を講じたい」と述べるだけで、調整会議の協議予定がないことが明らかになりました。
さらに田村氏は、「大会開催の場合、選手、大会関係者、スポンサーなど、どのくらいの入国者があるか」と質問。政府はこれに選手の上限しか答えられず、入国が見込まれる人数については「現在、組織委員会で精査している」とするだけでした。田村氏は「(入国者の)規模感も示せないで水際対策がやれるのか」と厳しく批判しました。
政府は大会開催に必要とされる約1万人の医療関係者の確保について、「組織委員会において精査を行っている」としか答弁できないなど、この問題でも対策の遅れを露呈しました。
田村氏は「東京都医師会は昨年から(1万人確保は)困難だと言っている。経験のないワクチン接種も始まる。そのもとで2カ月間、約1万人をどこから集めるのか。大会が国内のコロナ対策の足をひっぱることにならないか、危惧している。だからゼロベースでの検討を」と指摘。国際オリンピック委員会、組織委員会などとの「開催ありきでない、中止を含めた検討」を求めました。