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2021年3月17日(水)

ふるさと喪失賠償を

参院中央公聴会 除本氏らが公述

大門氏ら質問

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(写真)公述人に質問する大門実紀史議員(右)=16日、参院予算委公聴会

 参院予算委員会は16日に中央公聴会を行い、大阪市立大学の除本理史教授が公述し、東電福島第1原発事故の賠償基準である原子力損害賠償紛争審査会の指針について、「見直しが課題だ」と強調しました。

 除本氏は、指針の策定過程に被害者が参加する機会がなく、賠償の内容や金額が被害実態を反映していないと指摘。指針では賠償の対象外である「ふるさと喪失の慰謝料」が二つの高裁判決で認められたと述べました。

 日本共産党の岩渕友議員は「ふるさと喪失」賠償の意義を質問。除本氏は、被災者が自然環境や住民のつながり、地域の伝統行事など暮らしを支える条件から切り離されたと指摘。「この評価が不十分だが、当事者の実感としては非常に大きな被害だ」と強調しました。

 岩渕氏は、原発事故の影響による商工業者の損害について、東電による一括賠償後の「追加賠償」は、請求約1010件に対して支払い合意件数は29件だと指摘。賠償方針の決め方について問いました。除本氏は、「(同方針を)資源エネルギー庁と東電が提示した。プロセスとして問題だ」と指摘しました。

 またコロナによる国民生活への影響について、日本共産党の大門実紀史議員は、ETF(上場投資信託)、国債の大量購入で株価を下支えしている日銀の金融緩和政策は「市場のあり方をゆがめているのではないか」と質問。公述人の中空麻奈氏(BNPパリバ証券)は「健全でない」と回答。物価上昇目標をやめるなどの大門氏の正常化の提案には「極めてまともな政策だ」と述べました。


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