2021年3月14日(日)
死刑制度廃止を議論
日弁連 国際シンポ 犯罪抑止にならぬ
弁護士の役割や死刑制度廃止に関する国際シンポジウム「刑事司法の未来を展望する」が13日、オンラインで開催されました。京都市内で開かれていた国連犯罪防止刑事司法会議にあわせて日本弁護士連合会などが主催しました。
第1部では、国内外の専門家が、職務に関連して暴力や脅迫などに直面している弁護士の事例を紹介。人権擁護活動を行っただけで不当に逮捕・投獄されたり、女性が特定の分野しか職務を遂行できなかったりするなど、ジェンダーの視点からも弁護士としての役割を果たせていないといった声が上がりました。
第2部では、死刑制度の廃止に関するパネルディスカッションを開催。パネリストらが人権擁護の観点から死刑制度廃止が国際的な潮流にある中、世論の8割超が制度の存続を求めている日本の状況について議論しました。
京都大学大学院法学研究科教授(刑法)の高山佳奈子さんは、直近25年の間に日本で起きた凶悪犯罪を例に挙げ「犯罪が発生する背景には、加害者側の経済的、心理的な問題がある。少なくとも日本では死刑が犯罪の抑止にはなっていない」と話しました。
作家・映画監督の森達也さんは「日本では適切な情報公開がなされておらず、廃止の議論が起きない。政治やメディアが死刑制度に関する議論をもっと起こすべきだ」と訴えました。