2021年3月13日(土)
デジタル法案 自治体独自施策を抑制
塩川氏批判 地方自治侵害の危険
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デジタル関連5法案が12日の衆院内閣委員会で実質審議入りし、日本共産党の塩川鉄也議員は法案が住民自治を侵害する危険性をただしました。
基本法案では、国と自治体の「情報システムの共同化・集約の推進」を掲げ、国が整備する全国規模のクラウドシステム(インターネットを利用して情報やサービスを共有する仕組み)を自治体に使わせようとしています。
塩川氏は、平井卓也デジタル改革担当相が同日の答弁で、法案では自治体に対し情報システムの共同化・集約を義務づけているとの考えを示したことについて追及。平井氏は「システムは(自治体の)政策判断を制約するものではない」などと述べました。塩川氏は、システムの制度設計も不明確なのに自治体には義務だけがかかり、自治体独自の事業に差しさわりが起こりうる規定だと指摘。「地方自治の侵害になる」と批判しました。
クラウド等のシステムでは国保料の減免や子ども医療費の無料化など自治体独自の施策が実施できるのかとただしました。
対応が可能かのように述べる平井氏に対し、現に複数の自治体が共同で使っているクラウドの利用によって、行政の仕事内容をシステムに合わせている事例(富山県上市町)や、カスタマイズ(仕様変更)するより簡素化で業務を減らすことが大事と答えた市長の例(滋賀県湖南市)をあげ、当局が個別の住民要求に応えた施策のカスタマイズを受け入れない事例が全国各地にあると強調しました。塩川氏は、政府が「カスタマイズを無くすことが重要」とした方針を閣議決定し、カスタマイズを抑えた自治体に助成金を出す仕組みまでつくっていることをあげ、「国が住民要求に応えたカスタマイズを抑制する旗を振っていることが問題だ」と批判しました。