2021年3月12日(金)
生放送!とことん共産党
東日本大震災・原発事故10年 被災地はいま 希望はどこに
小池書記局長ら 被災3県と結びオンライン議論
2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年にあたり、日本共産党のインターネット番組「生放送!とことん共産党」は10日夜、「あの日から10年 被災地はいま、希望はどこに」と題し、党本部と岩手、宮城、福島の被災3県をオンラインでつなぎ参加者が議論しました。司会を小池晃書記局長と朝岡晶子氏が務め、高橋千鶴子、笠井亮両衆院議員、紙智子、岩渕友両参院議員、ふなやま由美衆院東北比例予定候補、宮川えみ子福島県議、三浦一敏宮城県議、斉藤信岩手県議が参加しました。
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原発避難者は、仕事をなくし家族はバラバラ、故郷へ帰れない
小池氏が、同日に日本共産党が発表した震災10年にあたっての提言について、一番の眼目は政府として被災地の実態を調査し把握するよう求めることだと紹介。そのうえで復興がどこまで進んでいるのか、日本共産党福島県委員会が作成した動画を視聴しました。草木が生い茂り人の手が入っていない帰還困難区域、目立つ更地、賠償問題での分断など今でも爪痕が残る現状が映し出されました。
宮川県議は、福島では避難者を中心に震災関連死が被災3県で最も多い2316人、自殺者が118人と岩手・宮城の2倍だと指摘。「避難者は、避難で仕事をなくし家族はバラバラ、故郷へ帰れない思いがますますつのって苦しい思いで暮らしています」と痛切に訴えました。
笠井氏は、菅政権が東電とともに原発事故を終わったものとして賠償や支援を打ち切り、再稼働にひた走っていると指摘し、「福島の切り捨てと原発にしがみつく姿勢とはメダルの裏表の関係です」と告発。世論調査で76%が原発ゼロを求めているとし、野党が共同提出した原発ゼロ基本法案の成立を訴えました。
高橋氏は「当時は被災者がどこに逃げたらいいのか正しい情報がなかった。それに対して『勝手に避難した自主避難者だ』と国が仕分けすること自体が間違っています」と批判しました。
小池氏が「被災直後に福島県川俣町山木屋地区の住民との懇談で聞いた悲痛な訴えを10年たったいまもありありと思い出します」と語りかけると、宮川県議は「県民は地震があるとまず原発はどうなのかとみんなが思うんです。県民はそれをずっと背負わされたのです」と悔しさをにじませました。
その中で問題となっているのが原発汚染水の海洋放出計画です。紙氏は「試験操業から始め東京・築地や熊本・水俣へ勉強に行くなど血の出るような努力でようやく本格操業が開始するという時に海洋放出など許されない」と強調。岩渕氏は、全国の漁業者が海洋放出に断固反対していると指摘。「原発事故のトラブルを見ると福島に帰れない」との避難者の声を紹介し「復興と生活再建を一番妨げているのが東電と国だ」と批判しました。
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災害公営住宅入居者の孤独死、自殺、突然死がここ3年で急増
宮城県での実態について、三浦県議は「復興住宅で孤立感を深めている人が多いなか、被災者の健康調査を県が来年度から中止することは実態をつかまない冷たい対応です」と批判。水産業も水揚げが減少するなど悪戦苦闘しており、グループ補助金の返済の一時凍結や返済期限の延長を求めるかまぼこ店専務の訴えも紹介し、国による抜本対策を求めました。
司会の朝岡氏が、宮城県民主医療機関連合会が実施した20年度災害公営住宅訪問調査を紹介しました。入居後に健康状態が悪くなった人が33%、孤独死や自殺、突然死の人がここ3年ほどで急増しているなど深刻な状況です。
ふなやま氏は、心臓病で何回も救急車で運ばれる人、足が悪くなり買い物に行けない人、数日間誰とも話をしていない90代の人など、孤独感にさいなまれ心も体も深刻な状況になっていると訴え、「震災復興こそケアに手厚い対応が求められています」と述べ、医療や介護、福祉体制の充実を提起しました。
また、避難所の問題として「東日本大震災女性支援ネットワーク」の調査で、11年から12年に、10歳未満から60代までの82人が暴力被害を受け、そのうち29人が性被害を受けたことが判明したと指摘。「SOSを発することができず悩む女性が残されています。相談支援につなげるため行政の役割が重要であり、ジェンダー平等をさまざまな点で強化していくことが欠かせません」と訴えました。
岩手県の実態について斉藤県議は、災害公営住宅では3世帯に1世帯が高齢者の1人暮らしで孤立し、集会所も月に1、2回ほどしか使われず、コミュニティーが形成されずに人と人との結びつきがつくられていないことが大きな問題だと強調。また、「震災、大不漁、コロナ」の三重苦で水産加工業も災害並みの困難に直面しており、新たな支援が必要だと訴えました。
一方で、被災者の医療費・介護保険利用料・障害者の福祉サービス利用料の免除措置を10年間継続実施し、命と健康、暮らしを守る命綱の役割を果たしてきたことが重要な成果だと紹介しました。
生きていてよかったと思える、暮らしも生業も輝く復興こそ
「つらい思いや苦労は政治を変えるばねになっていく。原発ゼロ、人間を大事にする政治にしたい」と宮川氏。ふなやま氏は「生きていてよかったと思える復興、憲法25条が生かされ、暮らしも生業(なりわい)も輝く復興を」と訴えました。紙氏は「根本的に被災者が自立できるよう生活再建支援法を拡充していくことが大事です」と強調。岩渕氏は「『原発事故さえなければ』という言葉をこの10年何度も聞きました。加害者の東電と国が被害者の生活と生業再建に最後まで責任を果たすよう求め続けます」と決意を込めました。
視聴者から「本当に親身になって、漁業も農業もそこに頑張る人たちを支えて声に応えて議員活動するのが日本共産党の議員なんだよね」などのメッセージが寄せられました。
小池氏は「東日本大震災以後も毎年のように大きな災害が日本中で起き、東日本大震災を上回る災害が起きる可能性も十分にあるなか、被災地が直面し、今も続く苦しみに正面から向き合う政治を実現しなければなりません。この間、勝ち取ってきた貴重な成果や教訓を次の政治に生かすよう努めます」と表明しました。
そのためには政権交代が必要だと強調した小池氏は「東北は市民と野党の共闘の力が発揮されてきた地域であり、参院選1人区では全国の野党共闘の勝利を引っ張る役割を果たしてきたのが東北のみなさん。共闘の力で必ず政権交代実現を」と呼びかけました。同時に、地域に根を張り被災地の思いを届けて政治を前に動かしてきた日本共産党の躍進で、比例代表東北ブロック2議席を必ず実現しようと訴えました。
番組は日本共産党のホームページからご覧になれます
⇒https://www.jcp.or.jp/web_info/tokoton.html