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2021年3月11日(木)

東日本大震災きょう10年

くらしと生業再建まで支援の継続・強化を

志位委員長が提言

 日本共産党の志位和夫委員長は10日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年を迎えるにあたり提言を発表。内閣府で平沢勝栄復興相と会談し、提言を手渡し、政府に対応を求めました。穀田恵二国対委員長、高橋千鶴子衆院議員、岩渕友、紙智子両参院議員が同席しました。(提言全文)


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(写真)平沢勝栄復興相(左から3人目)に申し入れる志位和夫委員長(その右)ら党国会議員団=10日、内閣府

 提言は、この間行った岩手・宮城・福島の被災3県の自治体や住民らとの懇談などをもとにまとめたものです。(1)期限を切った支援策の縮小・廃止をやめ、被災者に寄り添い、くらしと生業(なりわい)の再建へ支援の継続・強化(2)原発推進のために福島を切り捨てる政治を変える(3)東日本大震災の教訓を生かす政治に変える―の3本柱からなっています。

 平沢復興相との会談で志位氏は、「10年の節目にあたり、政府として被災者と被災地の実情をしっかり調査し、把握してほしい。そうしてこそ支援の継続・強化をはかることができる」と強調。「現状は十分な調査・把握ができているとは言えない」と述べ、「宮城民医連の20年度の調査では災害公営住宅の住民の『3割が健康状態悪化』であり、『6割が抑うつ傾向』の状態にある。健康状態を国として調べる必要がある。在宅被災者の実態もつかまれていない」と指摘しました。とくに福島については、「実態にそくした避難者数すら把握されていない」と述べ、「県は3万6000人と言っているが、実際は8万人以上だと言われている。国として避難者数、悩みや苦しみについての実態調査が必要だ」と求めました。

 産業と生業については、「政府のグループ補助金に伴う借入金の返済の時期がきている。水産業では大不漁にコロナ禍が加わるなど、返済できない実態がある。実態を把握していれば返済猶予の結論が出てくるが、十分に実態がつかまれているとは言えない」と述べました。

 平沢氏は「(被災者は)一人として忘れてはならない。全ての人を支援していく立場で対応していきたい」と述べました。

 志位氏は3県の個別の事情を踏まえるべきだとして、福島について、「特に2点申し上げたい」と発言。「1点目は汚染水の海洋放出の問題だ。全漁連や地元自治体が反対しており、到底容認できない。当面、タンクを増設し、問題解決に向けて科学的英知を結集して対応に当たるべきだ」と述べました。

 「2点目は、賠償の問題だ。政府が決めた賠償の指針があるが、この間の訴訟の判決は国の賠償指針を上回っている。指針自体の見直しが必要だ」と求めました。

 平沢氏は「これからは個別対応の支援が大切になってくる。しっかりやりたい」とのべました。


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