2021年3月10日(水)
被災者支援の継続求める
衆院委 援護資金返済などで高橋氏
|
日本共産党の高橋千鶴子議員は9日の衆院復興特別委員会で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から10年を迎えるもと、被災者支援の課題は多いとして国の対応をただしました。
高橋氏は、国の災害援護資金の貸し付けを受け、返済期間が始まった被災者約2万5千件のうち、4割にあたる1万件が滞納に陥っていることを確認しました。東日本大震災の特例は償還期間が13年で、資力が乏しいなどでその間返済猶予となった人はさらに10年で計23年間たってから免除の可否を決めます。高橋氏は「債務を23年間抱えることになり、重荷になっている。支払い免除を積極的に周知し、対応すべきだ」と強調。平沢勝栄復興相は、被災者の状況は異なっており「市町村がきめ細かく対応できるようにしたい」と答弁しました。
高橋氏は、原発事故の賠償請求の時効期限が3月末に迫っている問題を追及。東電の文挟(ふばさみ)誠一副社長は、一律に時効を適用せず最後の一人まで支払いを行うと答えました。
一方で、東電が原子力損害賠償紛争解決(ADR)センターによる和解案を計138件も拒否していたことを文部科学省の堀内義規審議官に確認。時効を適用しないかどうかは東電にゆだねられているため、「原賠時効特例法を延長すべきだ」と求めました。
ADRに初めて申し立てする被災者がいまも36%となっている背景には、“ようやく生活・事業再建にめどがつき、賠償を考えられるようになった”人が多いとして、「やっと踏ん切りがついた人たちが『賠償を求めたい』という声に応えられるよう機能を果たすべきだ」と迫りました。