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2021年3月4日(木)

暮らし再建への切実な願い次々

東日本大震災・原発事故10年

志位委員長 宮城の市民らと懇談

 3月11日に東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年を迎えます。日本共産党の志位和夫委員長は3日、被災地の復興や被災者支援に取り組む宮城県の住民や市民団体の代表者とオンラインで懇談し、現状と課題、求められる支援策などを聞きました。


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(写真)オンラインで懇談する(上段右から)志位、ふなやま、小川、伊藤、三浦、(下段右から)矢崎、高橋の各氏=3日

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(写真)オンラインで行われた懇談会で発言する志位和夫委員長(左)=3日、党本部

 志位氏は、被災者の苦難に寄り添っての奮闘に敬意をのべるとともに、(1)被災者の命と健康(2)住まいの再建(3)生業(なりわい)の再建(4)復興に持ち込まれたゆがみ―の4点の問題について現状と課題を聞きたいと提起しました。

 東日本大震災復旧・復興みやぎ県民センターの小川静治事務局長は、被災者間の支援格差の問題に言及しました。県内の被災者が住宅再建の手段として利用したのは災害救助法による応急修理だったと述べ、壊れた家に住み続ける在宅被災者を生み出す背景になったと指摘。「国の制度として住宅再建支援制度を充実させてほしい」と求めました。

 在宅被災者に対する支援活動を行うボランティア団体「チーム王冠」の伊藤健哉代表は、壊れたままの自宅に住み続ける在宅被災者の実態をパネルで示し、「在宅被災者の実態を国も県も自治体も全く調査しない。実態を知らないで支援策を打てるわけがない」と苦言を呈しました。その上で、被災者一人ひとりの個別の被災の影響を把握し、それに合わせた支援策を専門家と連携し実施していく「災害ケースマネジメント」の取り組みが必要と提起しました。

 宮城県民主医療機関連合会(宮城民医連)の矢崎とも子副会長(医師)は昨年10、11月に実施した災害公営住宅訪問調査結果を報告。仮設住宅よりも住宅環境が良くなったのに健康状態が悪くなった人が3割を超え、うつ傾向にある人も半数を超えていると語りました。被災者にとって(1)病気(2)収入・生活費(3)将来の家賃が三大心配事になっていると指摘。「生活困窮者ほど健康状態が悪くなり、受診を我慢している割合が高くなる。こうした被災者にどう手を差し伸べるかを考えなければいけない」と語りました。

 日本共産党の三浦一敏県議団長は、「創造的復興」をスローガンに惨事便乗型で大型公共事業、水産特区を進める一方、被災者への医療費支援を打ち切ってきた村井嘉浩県政を批判しました。コロナと消費税増税のダブルパンチに加え、温暖化による魚種の変化など、苦境にあえぐ県内の水産業の実態を紹介。「グループ補助金を借りている人が多いが、20年の返済期限を延ばしてほしいというのが現地の切実な願いだ」と述べました。

 発言をうけ志位氏は、「いま聞かせていただいた意見をしっかりと受け止め、力をつくすことをお約束します。とくに被災者のおかれた実態を国がつかんでこそ対策を打つことができます。被災者の健康、住まい、生業などの実態、悩みを、大震災から10年の時点で、国の責任でつかみ、支援を継続・強化することを求めていきたい」と表明しました。

 日本共産党のふなやま由美衆院東北ブロック比例予定候補が司会を務め、高橋千鶴子衆院議員が参加しました。


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