2021年3月2日(火)
「接待攻勢 行政ゆがめた」
衛星放送WG職員に集中
「東北新社に有利」塩川議員追及
衆院予算委
菅義偉首相の長男、正剛氏が勤務する放送関連会社「東北新社」の総務省接待をめぐり、同社の接待の大部分が衛星放送に関する同省のワーキンググループ(WG)の事務方職員に対して行われ、東北新社にとって有利な内容を盛り込んだWG報告書案が作成される期間に集中していたことが、1日の衆院予算委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の追及で明らかになりました。塩川氏は「一連の接待攻勢で、東北新社に有利になるように行政がゆがめられた」と告発しました。(論戦ハイライト)
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同省の検討会「衛星放送の未来像に関するWG」は2018年5月の第5回で、衛星放送への新規事業者の参入を拡大する報告書案を取りまとめました。新規参入枠をつくるため、東北新社を有力企業とする衛星放送協会は、電波の周波数の帯域幅(スロット)で42スロットを自主返納。東北新社も6スロットを自主返納しました。
塩川氏は、18年報告書案後に東北新社から接待を受けたWGの事務方職員の数・回数などをただしました。
同省の原邦彰官房長は、WGが再始動する第7回までに東北新社が行った接待21回のうち、WG事務方職員が参加したのは19回と答弁。2回目の報告書案が出される第12回までの接待28回のうち26回がWG事務方へのものであることを明らかにしました。
塩川氏は「同社の接待がこの時期に集中している」と指摘し、その結果、WGが新たにまとめた報告書案には、BS右旋帯域の4K放送を認めることや、衛星の利用料低減が盛り込まれたと指摘。「長男が勤務する東北新社と特別の関係にある菅首相の存在が行政をゆがめる大本にあったのではないか」と追及しました。
菅首相が「総務省の中でしっかり検証している」と言い逃れたのに対し、塩川氏は東北新社社長が菅首相に対して今回問題となっている18年10月にも献金を行っていたと指摘。菅首相がこれまで述べてきた「総選挙の応援」という理屈は成り立たないと強調し、贈収賄も問われる疑惑であり徹底解明が必要だと迫りました。