2021年2月26日(金)
デジタル法案 個人情報守られない
法律家が撤回・修正求め意見書
菅義偉内閣が国会に提出しているデジタル関連法案について、共謀罪対策弁護団など8団体や個人でつくる「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」は25日、国会内で記者会見を開き、プライバシー保護の観点から問題点の撤回や修正を求める意見書を発表しました。
同法案は、国と自治体の情報システムの統一、個人情報関係3法の統合や、医師免許といった国家資格のマイナンバーカードへの集約など多数の法改定を含みます。
意見書は▽省庁間の情報共有を容易にする仕組みの撤回▽地方自治体で積み重ねられてきた個人情報保護の仕組みを無効化することの撤回▽国家資格者のマイナンバーの登録を義務付ける制度を認めないこと―などを求めています。
海渡雄一弁護士は、菅首相がコロナ禍を機に「省庁間の壁を壊す」とデジタル化を進めていることに対し、「その壁は個人情報を守るためにあった壁だ。産業を優先し企業が自由に情報を活用できる仕組みに変えてしまおうとしている」と批判しました。
三宅弘弁護士は「何十本もの法律が一挙に審議されている」とし、慎重な審議を訴えました。
大住広太弁護士は、個人情報保護制度の統一化は「先進的な自治体が住民と一体となって条例で個人情報を保護してきた取り組みを無にするものだ」と強調。
元法相の平岡秀夫弁護士は、マイナンバーについて「国民監視・市民監視の色彩が強くなっており、非常に危惧する」と述べました。