2021年2月25日(木)
コロナ対策 準備早く
宮本氏に公述人
衆院委中央公聴会
衆院予算委員会が24日に行った来年度予算案に関する中央公聴会で、日本共産党の宮本徹議員は、政府の新型コロナウイルス対策の反省点や金融政策について質問しました。
意見陳述した東京大学の岩本愛吉名誉教授は、国際的な流行状況を把握するための各国との情報共有や、ウイルスの遺伝子解析、科学技術を駆使した対策の重要性を指摘。「公的機関のPCR検査の能力は、昨年1年間にさほど強化されなかった」と述べ、「地方ブロックで保健所や地方衛生研究所の機能を集約するセンターが必要だ。少なくとも首都圏や関西圏では、機動的かつ大量の検査に耐えられる備えが必要だ」と提起しました。
宮本氏は、第1波当時の水際対策の失敗要因を質問。岩本氏は、「欧州で増え始めたウイルスを国内で研究する体制が遅れた。今後大事なのは、そういう準備や省庁間の連絡を密にすることだ」と述べました。
宮本氏は、東京五輪・パラリンピックの際の防疫体制についても尋ね、岩本氏は「選手の気持ちを考えれば成功させたいと思う一方、どれくらい日本の(感染)状況を抑えられるのか、世界の国々に納得してもらえるかのバランスも非常に大事だ」と答えました。
宮本氏は、金融政策をめぐり、日本銀行が民間企業の株(ETF)を大量に買って株価を下支えしている現状を問題視。大正大学の小峰隆夫教授は「日銀による株や国債の大量購入は非常時に限られるべきで、金融政策依存から徐々に脱却すべきだ」と応じました。